肉そば藍(新宿地下ラーメン)
新宿地下ラーメンの「肉そば藍」を訪問した。シンプルな肉そば(1,000円)でも十分かな?と考えたものの、このお店にしては若干お手頃な価格だったこともあり、直前に味玉肉そば(1,200円)に変更。結果的にこれが奏功した。
肉そばは黄金色が麗しい上品なビジュアルの一杯だった。キラキラ輝く脂が浮いたスープに看板のチャーシュー5~6枚とボリュームのある中太麺が格納されていて、ラーメンだけで満腹になった。
強みと思われる薄手のチャーシューは、トントロを想起させる風味でさっぱり味の肉本体とジューシーで甘みを宿した脂身という構成。このコンビネーションが実に冴えていて美味しかった。
一方で、クセのないスープは油のせいか塩気が濃いのか、後半に進むにしたがって少し飽きてきたのが玉に瑕。そのタイミングで味玉を食べることができたので、この卵の薄味と半熟感が良い箸休めとなって救われた。何かしらの味変の調味料を上手く活用できていたら(卓上にはなかった。共有スペースにあったかも)、もしかしたらもう少し印象が変わっていたのかもしれない。今回の期間中にこの味玉肉そばを同じ食べ方でリピートすることはおそらくないだろう。
さて、今回の企画は「ミシュランガイド5年連続載店」という煽り文句が集客のフックになっていた。ミシュランをお手頃価格で味わえるなら一度は体験したくなるのが人情だ。
ただ、実際はこの「肉そば藍」のブランドがミシュランに評価されたわけではない。京都ミシュランガイド5年連続掲載「煮干そば藍」が「肉」にこだわって立ち上げた新ブランドがこの「肉そば藍」というのが正確な理解のようだ。こういった情報戦も新宿地下ラーメンの魅力となっている。情報を美味しく食べるためには下調べを怠らないのが鉄則と言えるだろう。
新宿地下ラーメン自体久しぶりの訪問だった。以前は電子決済のみの対応だったが、精算機に新たに雑な貼り紙が貼られていて、店員を呼べば現金も使えそうだった。