夢で逢いましょう【勝手にリレーエッセイ2023冬#1】
<まえがき>
「おもしろいなぁ」とずっと思っていたエッセイスト・イトーダーキさんが主催する『勝手にリレーエッセイ』企画に思いきって参加してみた。
ダーキさん(この呼び名でいいのかわからない)が書く起点記事から参加者が考察を書き、リレー形式で次の人へ繋げていく企画だ。私がいつもと書き方が違う(常体)のは、ですます調の敬体で書くと文字数が多くなってしまうため。
なお、記事構成は勇敢なヘラジカさんの書き方をお借りした。
それでは本文スタート
「ヤスさん、僕ね、夢がないんです」
「なんで? もっとお金持ちになりたいとか、人の幸せな生活に関わりたいみたいな綺麗な夢とかもありそうだけど」
「いやー、夢があれば、今、夢を叶えられてない自分はダメで、叶えてる自分が凄いやつみたいでしょ。今の自分をダメだと思いたくないんですよ」
これまで出会った人のなかで彼は特殊だった。保険営業で2年連続日本No.1になった友だちである。夢の塊みたいな男だ。
私も似たような考えをもっていたのだ。彼ほど上手に言語化はできていなかったけれど、この機会に深掘りしてみようとおもう。
………
……
学校の教室で、あるいはチェーンの居酒屋で、はたまたグループセラピーのような場で、これまで夢を語る機会はたくさんあった。
「あなたの夢はなんですか?」と聞かれる度に苦しんだのだ。適当にインスタントな答えで誤魔化しつつ40年以上生きてきた。
イトーダーキさんからお題「夢の見つけ方とあきらめ方」が提示されたときは正直焦った。まずい。苦手なやつだ。
ちょうど実家にいたので、母に私の子供時代の夢を聞いてみた。
「あんたは、小学校の卒業文集で尊敬する人に『吉田ヒロ』って書いてて、なんや恥ずかしかったわー。将来の夢は吉本新喜劇に出るって言うてたで」
まゆげぼーんである。記憶にない。今の時代ならチクビドリルすなっ!のギャグと同じ感じだ。さらに追い討ちをかけられた。
「中学生のときは『夢は教祖』とか言うてたな~」
お母さん、もうやめて。
そんなんだから、私は自分の夢にまったく執着がない。昔の夢なんて諦めるどころか忘れている始末だ。しっかし夢は教祖なんてサロン運営を予知してたのか? 宗教的って揶揄されやすいもんね。
で。夢ってかんたんに忘れるものではない。まゆげぼーんではないはずだ。チクビドリルでもない。
さて、どうしたもんかと思っていたら、この起点記事である。
……なるほど。そうくるか。
私はオンラインサロンを運営している。「サロンのこれからは?」とたまに聞かれるが、サロンがなければそんな質問もないわけで。
サロンを始めたのは偶然だ。ノリと勢いだ。ちなみに夢と対極にある「挫折」がサロン開設のきっかけだったりする。この話は長いので省略。
そんな自身の経験から私はさらに要素を加えたい。
人との出会いだ。
計画的偶発性理論を提唱したクランボルツ教授はこう言った。「その人の偶然の出来事の80%は、それまでの行いによって支配されている」
なら出会いが大きく影響するのではないか。
私の夢は変わっていく。モテ男になりたい、出版、サロン開設、すべては人との出会いが起点だ。そもそも吉本新喜劇だって、当時友だちとお笑い番組を見て盛り上がっていたからだ。
私の夢は人が運んできてくれる。
そして夢は友と語られる。
自分だけの夢を答えるのには苦労するけれど、人が関わる夢だと難なく答えられるのだ。
人が関わると叶うor叶わないが自分でコントロールできない。なら叶わなくても、くよくよする必要が全くない。勝手だが気は楽だ。
人と関わると夢がうまれるんだ。
それは私だけに限った話ではない。
リレーエッセイに関わり、いっしょに走っている、もしくは読んでくれている人との出会い。今、私は誰かの夢に巻き込まれているかも、と密かに思っている。
(1376字)
【勝手にリレーエッセイ2023冬】
第2走者 morii otoさん
【本企画の概要】
【共に走る第1走者】
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