![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/14707618/rectangle_large_type_2_e8e229ac5053f71b6342da8021b9cf4a.jpg?width=1200)
花
花をもらった。
昨日は生花、今日は花の形をした入浴剤を。花をもらうのは、とても嬉しい。花は儚いが、可憐だ。美しくて、まるで自分の心まで美しくなったような気がする。
花瓶に入れると、なんだか優しくなれる。こんな大学生男子みたいな服装をしているくせに、朝生けた花を見て「いってきます」なんて言いそうになる。柄にもない、と苦笑する。花の美しさに、つられるなんて。
後輩たちは、「花なんてもらっても扱いに困るだろう」と、満場一致で送別の品から花を外したという。花をもらって「嬉しい〜花もらうって幸せ!」と喜ぶわたしを見て吹き出した。「花が一番いらないと思ってると思ってました!」と。やっぱり柄にもないのだ。
大人になってからだ、花を美しいと思うのは。子どもの頃は、マリーゴールドやダリアをかわいいと思いつつも、自分には育てられないし見るだけでいいと思っていた。でも今は、花のある生活っていいなと思う。だから毎月、ドライフラワーを買う。
花を美しいと思う、美しい心を持ちたい。人に優しくなりたい。
花が似合わないがさつな人間だとしても、柄にもなくみんなに笑われたとしても、美しいものは美しい。
保護者や教え子にもらった、美しい花たち。くれた彼女たちのように、わたしも美しい心を持てるように。育てよう、日々。
今手元にある入浴剤の花を見て、ひとり電車で決意するのだ。