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くじらは空 − あとがき −
詩太活動10周年の節目に『くじらは空』という本を作りました。
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内容は、絵本と詩集と画集の真ん中くらいのイメージです。
現時点での集大成なので、自分が大切にしたい想いや願いをたくさん込めました。本来なら「まえがき」や「あとがき」にその想いや願いの部分を綴るべきなのかもしれませんが、この本には「まえがき」も「あとがき」もありません。
なので、その代わりにここで「あとがき」のようなものを軽く綴っておきたいと思います。(これを読むと想像を膨らませた本の世界が狭くなっちゃうかもしれないので、必要のない方は全然読まなくても大丈夫です。)
では、いきます。
「まえがき」も「あとがき」もない本
まず、本の中に「まえがき」も「あとがき」も書かなかったのは、「この本で作者が何を伝えたいか」よりも「この本を読んであなたが何を感じたか」に思いを巡らせてほしかったからです。そのあたりは少し絵本に近いかもしれません。
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もちろんくじら達の名前にも意味があるし、この本の中の世界にも設定があるし、セリフ一つ一つに実際のエピソードや受け取って欲しい想いがあります。
それを全部語ってほしいと思う読者の方にとっては少し物足りない内容の本かもしれません。(過去5作が詩太の想いや考えをこれでもかというくらいに全部書ききって読者にぶつけてきたので、過去作を読んできてくれた方は特に物足りないかも。)
それを理解した上で、それでも作りたい形の本にする為に、自分の想いを削り、ナレーションや補足の文章も削って、できるだけ登場人物の会話だけで構成しました。
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きっかけは一冊の本
3年前、立ち寄った本屋さんで素敵な表紙に惹かれ一冊の本を手に取りました。
ページをめくる度に素敵な挿絵と登場人物の会話にグッときて、パラパラと止まらずに最後まで読み終えてしまいました。
10分もかからずに読めたのに、読み終わると自分の心がほぐれている感覚がありました。その感覚に気づいた時、“すごい本だな”といつか自分もこんな本を描きたいなと思うようになりました。
(普段あまり本は読まないのですが、この本は手元に置いておきたいと思い、そのままレジに持っていき買って帰りました。)
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作りたかったのは“10分で読めて一生付き合える本”
そんなきっかけもあり、今回作りたかったのは“立ち読みで全部読めるくらい楽に読めて、読んだ後になんか分からないけど少しだけ心が上を向いている”…みたいな本、そして、“一生付き合える本”です。
登場人物たちが過ごした数ヶ月〜数年間の日常を隣で眺めながらいくつかの場面を切り取るようなイメージで描きました。なので、ページとページを無理に繋げてはいません。(きっとその間にもくじら達にはいろんな出来事があったことでしょう。)
読むタイミングや年齢で様々な感じ方ができるように、物語自体の余白をたっぷり残した本なので、時々、思い出した時に読んでみてもらえると嬉しいです。
タイトルについて
最初は「空くじらとなかまはずれの森」というタイトルの本を書こうと思っていましたが、この本自体の今後の広がりを想像して「くじらは空」というタイトルに変更しました。
このタイトルが閃いた時点でこの本は半分完成したくらいの手応えがありました。内容もかなり方向転換しました。なので、このタイトル個人的にとても気に入ってます。
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『くじらは空』の今後の広がり
くじら達の名前の意味やこの本の中の世界観など、この本で描ききれなかった部分は個展を通して少しずつ表現していきたいと思います。
まずは、6月~7月に東京、ピカレスクギャラリーでの個展開催が決まりました。個展のタイトルはそのまま『くじらは空』。
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この個展に向けて新しいくじらの絵を100枚以上描きます。『くじらは空』の本と一緒に個展をご覧いただけると、何倍も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。よかったら本を片手にご来場ください!
またいつかどこかで
この本に込めた想いや会話のモデルになったエピソードなどを語るオフラインイベントなどを開催するのもいいかもしれませんね。(需要あるかな?)
まぁ、質問していただければなんでもお答えしますので、個展などでお会いした際にはお声かけください。いつか読者の皆様とお会いできる日を楽しみにしています!
それでは、またいつかどこかで。
2024年4月30日
詩太
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