夜明け

 夜明けが近い。
 結局、眠れないままこの日を迎えてしまった。
「ユイナ、もう起きていたのですね」
 後ろから声をかけられて、振り向く。寝巻き姿のシエルがそこにいた。
「今日が何の日かおぼえているか?」ユイナが問いかけると、シエルが目を伏せて言った。
「約束の日ですね……あなたは彼をゆるすのですか? 私たちを裏切った彼を」
 問いかけにユイナは答えずただ地平線の彼方を見つめていた。

【約束・大罪・出会い】

12/13日分

#掌編小説
#すくものノルマ

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