待ち合わせ

 地下鉄の駅で降りる。この駅は、先月から大規模な改修工事を始めていて、ただでさえ迷宮めいた構内がなおややこしくなった。
 先週には通れていたところが、今週には通行止めになっている。
 毎日使うわたしみたいなにんげんにとってはまだ、攻略可能だが、たまにいく人間にとっては、迷宮のようなもなのだ。
 その日、親友のAと待ち合わせをしていた。
 時間になってもAが来ない。10分待ってみて、携帯に電話する。
「わ……! ごめ………てる!」
 電波の状態が悪いせいか、全く声が聞こえない。
 ビックリマークだけが主張している。
 仕方ないなぁ。あと少し待つか。

【地下鉄・複雑・ビックリマーク】

#掌編小説
#すくものノルマ

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