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farmoで覗く、農業の「見える化」

皆さんお久しぶりです!
あぐのみやプロジェクトです。(まだ(仮)です!笑)

今回は、農業の「見える化」について、お話しようと思います。

IT化が進む現代社会で、最近何かと話題の「見える化」
農業でいうところの「見える化」って、いったいどんなものなのでしょうか。

1.農業の「見える化」

「見える化」とはつまり、情報の可視化です。
作物が生産され、私たちの手元に届くまで、そこには多くの情報が存在します。
ITの発展で、莫大な量のデータを簡単に管理できるようになった今、農業の世界も情報を見えるようにすることで新たなステージに向かっています。

ただ一口に「見える化」といっても、様々な形があります。
大きく分けると、

・栽培環境の「見える化」

・流通の「見える化」

・生産管理、情報記録の「見える化」


などなど…

今回は、その中でも”栽培環境の「見える化」”にフォーカスを当てて紹介したいと思います。

2.株式会社ぶらんこと「farmo」

そして今回、栽培環境の「見える化」をお話するにあたり、私たちは「株式会社ぶらんこ」さんにお話を伺ってきました!
株式会社ぶらんこさんは、宇都宮市を拠点に、農業×ITの分野でご活躍されている企業です。(詳しいご紹介は後ほど)

そんなぶらんこさんの、目玉商品がこちらの「farmo」です!

farmoは、農業に必要なデータを集めて、アプリで見て管理できるようにする、農業用のIoT機器です。

現在、ハウス栽培用のハウスfarmoと、水田用の水田farmoの2種類が発売されています。
farmoを通して、農業の「見える化」について、一緒に勉強していきましょう!

3.2つのfarmo

ではまず、ハウスfarmoからご紹介します。
栃木県の名産品といえば、もちろんイチゴ🍓
farmoの開発も、イチゴ農家さんに温度を測ってほしいと頼まれたことがキッカケでした。

ハウスfarmoは、ハウス内の気温、湿度、CO2濃度、土壌水分などハウス環境の見える化に必要な8つのデータを5分おきに計測し記録しています。
また、アプリと連動することで、ハウスに行かなくてもデータを確認することができます。
さらにイチゴだけでなく、トマト、メロンなど、ほかの作物に合わせたアプリもリリースされており、いろんな作物に利用できるのも魅力の一つです。

水田farmoは、水田の水の管理を行う製品です。
大規模化が進み、いろんなところに田んぼを所有する農家さんが増える中で、
各地にある田んぼの水位を、その場にいかなくても、スマホで確認することができます。
また、給水ゲートの自動化にも挑戦しており、家や違う場所にいながら水田の給水・止水を行うことができ、
イネ農家さんの体力的、時間的負担を軽減しています。

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4.「見える」ことで課題解決

でも、そもそも「見える化」によって、どんないいことがあるのでしょうか?

①品質の向上

例えば、今まで感覚で行ってきた追肥や、ハウス内の環境の管理などをデータに基づいて実施することで、より作物の成長にそった栽培を行うことができます。
肌感覚ではどうしても気づけない、環境の変化に対応できることで、高品質の作物を、多く作ることが以前よりも簡単になりました。

②省力化

今までは、ハウスまで行って目で確認していた様々なデータを、手元のスマホで確認できるようになりました。
急なハウス環境や天候の変化をずっと気にしていなくても、スマホで管理できるため、とっさに対応することができます。

また空いた時間をうまく利用することで、作物に付加価値をつけることにもつながります。
栽培管理以外のことに割ける時間が増えるため、より利益の出せる販売方法や、サービスを行うことも可能になるのです。

③技術の継承のサポート

現在、宇都宮市に限らず日本の多くの農家さんで問題となっているのが、一次産業離れによる後継者不足です。
従事者が少ないこともさることながら、農家さんの技術には代々受け継がれてきた知識経験が詰まっており、それを伝えるのにも多くの時間現場での実践が必要となります。
また、それらの技術には人の感覚に頼るところも大きく、なかなか伝えるのが難しいところでもあります。

「見える化」には、それをサポートする力があります。
なぜならデータという、絶対的な指標で見えるようにすることで、若い世代がその感覚をつかみやすくなるからです。

これについて、ぶらんこの代表 永井さんは、次のようにお話してくださいました。

「例えば、お父さんと息子さんでイチゴを作っているとして、お父さんは肌感覚でわかるんだけど、息子さんにはわかないとかいうことがよくある。
そんな時にデータを共有できたりすると、その感覚というものがつかみやすくなる。」

「肌感覚って、相対的な感覚だから、暑いところから来たり、寒いところから来たりすると、案外実際のデータとは違ってたりする。
その点、これ(センサー)があると絶対的な指標が出せる。」


5.データ化とデータ依存

農業とITを組み合わせて、農家さんのサポートを行っているぶらんこさんですが、一方で次のようなこともおっしゃられていました。

「データ化して技術を受け継いでいくことは可能だと思う。
ただ、データ依存になってはいけないとも思う。

データだけでは解決できないことがあるから、データで判断して、時代に合った使い方が必要になってくる。」

データはあくまでも今までの知識の詰め合わせから生まれたものであり、すべての環境や作物にピッタリ対応しているわけではありません。特に自然を扱う農業の分野では、データに存在しない異常気象や病虫害が発生する可能性も十分に考えられます。
データに「依存」するのではなく、データと上手に「向き合う」ことが大切なのかもしれません。


6.「見える化」をのぞいてみよう。

このように、「見える化」の効果というものは一口では語り切れず、様々な角度からのぞいて、初めて、その姿が見えるような気がします。
今まで潜んでいた情報の部分が見えるようになってきたことは、これからの農業の形に大きな変化をもたらしていくでしょう。

皆さんも、自分たちが日々食べている食材の裏側にある情報を「見える化」して、覗いてみてはいかがでしょうか。
それだけで、いつもよりご飯がおいしく感じるかも!?

さいごに

いかがでしたでしょうか!
今回は、ぶらんこさんの商品「farmo」を通して、農業の見える化について紹介させていただきました。

次の記事でも、株式会社ぶらんこの代表、永井さんから伺ったお話を元に、
スマート農業と地域のかかわりについて書いています。

こちらもぜひご一読ください!

株式会社ぶらんこさんのHPはこちら

取材:尾澤・横内  編集:尾澤

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