白 秋

白装束しろしょうぞくの　白き狼煙のろしの
祝詞のりとを奏上そうじょう  賜たまわりし候そうろう

清浄しょうじょう　僧正そうじょうに相乗そうじょうし
早々に守られし候そうろう

六道ろくどう巡めぐりの　闇夜の船出
白道はくどう廻まわりの　阿弥陀あみだの輪廻りんね
　

遍路へんろの杖が指し示す　弥勒みろくの世の果てに
鶴と亀とが　逢魔おうまの迷子

私の影を踏んだのは誰?

私の影を踏んだのは誰?

梢こずえの白頭翁むくどり　追っ手の木魂こだま
白しらけた吐息の　袖振る君へ

つるべ落として浄土に沈む　くれない宵の口
吊るした柿に　ゆうべの夕焼け

私の影を踏んだのは誰?

私の影を踏んだのは誰?