断片#004|ふ菓子で撲殺
真っ黒な視界だったずっとずっと
どうしてこうなったこうなったのはどうして
恐らく様々な事がちょっとずつちょっとずつズレていっての「今」だった
違和感はあった
嫌悪感もあった
でも「我」がないので全て受け入れ言われた通りに
不思議なもので視界を遮られると聴力も奪われるし感覚も鈍る
自分が なにをされているのか わからないまま 最初のうちは哭いていたけれど
そのうち疲れて「無」になった
真っ黒な場所にずっとずっと
陽の日も陰の日も陽の日も陰の日も陰の日も陰の日もずっとずっと
ゼッタイ二 絶対に ぜったいに ゆるさない 許さない ユルサナイ
善いも悪いも関係なく自分と関わった奴らを全員呪い殺してやると 思っていたのに
クッシャクシャの泣き顔を見てしまったら バカバカしくなって
真っ黒も真っ黒な視界も真っ黒な場所も無理なので
髪は金に染めたし寝る時は目を開けていられない状態になるのを待つしかないし朝でも昼でも夜でも家中の電気は点けっぱなしだし
遺影は自戒