ないものはないのだから仕方がない
「私たちを責めないでください」
全国のドラッグストアの店員さんがそう思っているだろう。
「本当はあるんじゃないの?」
「商品を多くの人に行き渡らせるためなのに、『何でなんだ』と不満を言われる」
こんなことを言っている人は普段、仕事でもプライベートでも、
自分より下と判断した人に、強く当たっているのだろう。
ないものはない。ないのだから仕方ない。
それなのにどうして、店員を責めることができるのか。
「マスクは入荷未定と掲示していても、『まだ入らないのか』と尋ねる客がおり、
そのたびに『申し訳ありません』と謝っている。そんな自分の姿を夢に見るくらい。
客に『本当はあるのにうそをついているんだろう』と疑われた同僚もいる」
事態が深刻で不安なのはわかるけれど、店員に当たるのは間違っている。
これ以上、店員さんが責められるようなことがあれば、店員さんがいなくなって、
マスクはおろか、何も買えなくなってしまう、というリスクは考えていないのか。
店を運営する会社側が、店員さんを守るため、
あまりに酷い対応をされたときは、強く出ていいと指示すべきではないか。
出典:京都新聞 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/180148
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/175569