「TUNIC」をトロコン全クリしたのでオススメさせてください(ネタバレなし)
脳みそ刺激パワー500%の傑作
「TUNIC」、2023 BAFTA Games Awards(英国アカデミー賞ゲーム部門)アート賞、ゲームデザイン賞の2冠おめでとうございます!フランスでもBest International Independent Video Gameを受賞しているし、TGAやGDC Awardsでも、最優秀賞の受賞は逃したものの、複数の賞にノミネートされていました。まるごと隅から隅までプレイし終わった今、BAFTAの2部門受賞に納得しかありません。なんでかを説明すると全部ネタバレになるのでなんも言えない……!!!!でもこの面白さを全人類と共有したい……!!!!
というわけでネタバレなしでいろんな人におすすめしまくるための文章を書いております。なお発売は2022年3月(移植版は9月)ですので、すでに1年くらいが経過しています。
限りなくネタバレに配慮してオススメします
①ゼルダが好きな人にオススメ!
下記、ストアのページとかに貼ってあるTUNICのメインビジュアルです。
どう見てもゼルダじゃん?????
この時点で、ゼルダシリーズにリスペクトを込めた作品であることが存分に理解できます。ゼルダシリーズといえば、以下の醍醐味が特徴。
・ボタン一つで剣の攻撃が出るシンプルアクション
・アイテムを切り替えて、いろいろ使って行動
・それらを駆使した数々の謎解き!
「なんかかわいいゼルダみたいなゲームが遊べるってことか~」ということで、自分はここでもう先の情報を仕入れるのをやめました。だって絶対おもしろいじゃん(ゼルダシリーズへの全幅の信頼)。結果、その判断は正しかったし、トレイラーとかで紹介されている情報(以下②~④で書いています)も全然知らなかったので、プレイ開始1分くらいで「なんじゃこりゃ~~~!!??」って小躍りしました。
②リアル脱出ゲームが好きな人にオススメ!
リアル脱出ゲームとか、街でやる謎解き(ナゾトキ街歩きゲーム)とか、あるじゃないですか。自分もむかしハマってた時期があって、友人たちと土日をつぶして遊んだことがあります。アレ系のものが好きな人は、TUNIC絶対楽しめます。なぜなのか…は、もうさっさとゲーム本編をプレイしてもらって自身で感じてほしいんですけど、ひとまず、下記のスクリーンショットをご覧ください。
未知の言語ーーー!!!!
文字は、読まなくてもゲームはクリアできるように作ってあります(文字以外の情報で遊び方はすべてわかるようになっています)。そして、この「説明書の断片」を集めていくことが、ゲームの目的であり、ゲームを進めるうえでの手掛かりになります。説明書であり、攻略本であり、聖典でもある。
勘のいい方はお気づきかと思いますが、この読めない文字、ちゃんと文章になっており、解読することができます。そして、この説明書には文字どころではない巨大な謎が、いくつも含まれています。もちろん、ネットで調べれば先駆者が解読した答えに一発でたどり着けますけど、そういうことじゃないのよ!!!!というわけでリアル脱出ゲーム的な「体験」を求めている人に、超オススメ。いやマジで「厳重に隠された秘密」に気付いた瞬間の、全身に電流が走って鳥肌が立つようなあの刺激、記憶を消さない限り二度と得られないというのが我慢ならん。続編はよ!!(Return of the Obra Dinnに対しても同じこと思ってる人)
③ソウルライクゲームが好きな人にオススメ!
このかわいいビジュアルで何言ってんの?って思うと思うんですが、これ、マジのソウルライクです。唯一、戦利品を全ロストしないっていう優しさはあるけれど、やってることはダークソウルです。システム面もそうなんですけど、実はアクションの歯ごたえが結構ガチ。剣メインのアクションなので、まあゼルダ的といえばそれはそうなんですけど、ゼルダのボスって結構ギミック的な解法があるというか、爆弾を口の中に投げ込め!とか、あるじゃないですか。そういうのないです。基本ガチです。手に汗握るバトルがご用意されている。資材が底をついて徐々に追い詰められていくヒリヒリ感とか、相手の体力ゲージがあと数ミリになった時の謎の焦りとか、子ギツネの見た目の可愛さとのギャップも相まって、「ミケラの刃、マレニア」ばりの緊張感が走るバトルもありました(個人の感想です)。
なお、謎解き好きだけどガチアクション無理!という方のために、なんと「無敵モード」が存在する!無敵にしていてもペナルティはなんにもないので、存分に使ったらいいと思います。体力無限、スタミナ無限もあるよ。謎解きに集中できる、割り切った配慮がとても良い。
④Inscryptionが好きな人にオススメ!
急にInscryptionの話をするとちょっと唐突に感じられると思うんですけど、「制限された状態から、徐々に情報が開示されていって、理解が深まる」っていう感覚は、Inscryptionのそれに非常によく似ておりました。あのときに震えた脳と同じ回路が反応する感じ。あんなに怖くはないけど!!
あと、これはネタバレすれすれの発言なんですけど、ゲームとして「干渉する/してくる範囲」が、似ています。わかる人には伝わってくれ……こういうの最近増えてる(と思う)んですけど、はじめはビックリして、だんだん食傷ぎみかなって思ってきて、そろそろ一周回って逆に好きになってきた。
プレイ中、最高の2週間を過ごした
いやーーーー本当におもしろかった!
総プレイ時間は31時間って表示されているけど、たぶんストーリークリアまでは20時間くらいです。ダンジョンの数とか、長さとかのボリューム感がすごくちょうどよかった印象!そして、のこり10時間の半分くらいがクリア後の探索みたいな時間で、もう半分は、謎解きわかんなくて画面見ながらウンウン唸ってる時間。でもって、プレイ時間にカウントされていないゲーム外で唸ってる時間が誇張なしで20時間くらいあります。
だって、プレイ中に撮ったスクリーンショットが1652枚もあるんですよ!!PS5でプレイしていたのですが、スクショ撮ったら自動的にPS Appにアップロードしてくれるので、手元でスクショを参照しながらゲーム画面を操作、みたいなことができて非常に便利なので、もう気になるものはなんでも撮影。でもだんだんスクショを眺めるだけではどうにもならなくなってきて、一念発起して1600枚をまるごとSSDに移して、PCで表示してパワポに貼り付けたりして整理して、最後はスケッチブックとペンを駆使して謎解きしてて、気付いたら5時間とか平気で過ぎてる。いやでも本当に、この体験がすごーーくよかった…家族にはおかしなことをしていると思われたけれど…
謎解きの部分も含めてですけど、TUNICを遊んでいた時間というのは、その昔まだ漢字がぜんぜん読めなかった小さいころ、手探りでゲームを遊んでいたときのような…中古でソフト本体だけを手に入れて、どう遊んでいいか全くわからなかったときのような…アメリカ土産の何言ってるかまったくわかんない玩具を適当にいじくりまわしていたときのような…、なんだろう、「遊ぶ」体験のほんとうに原始の部分みたいなものを、久々に感じられたように思います。(ちなみに当時手探りでプレイしていたのはファミコンのEGYPTなんだけど、知ってる人います???)
クリア後に開発会社のTwitter見てたら、なんか「8年前の原案」みたいなこと書いてあって、8年~!!!という感じ。この、インディーゲーム・個人開発界隈特有の、なにか怨念にも似た熱量というか、とんでもないパワーや執念…のかたまりを、1本の完成品として受け取ることができた、いや、受け取らせていただいたことに、ただただ感謝と感服と、あと、うらやましくて死にそうになります。開発スタッフのみなさん、最高のゲームをありがとうございました&おつかれさまでした!
では、TUNICゾンビとしての徘徊活動を始めてまいります。
最後に、ニンテンドーダイレクトの紹介動画貼っておきます。
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