青さ
貴方に恋をしてどのくらいたっただろう。
離れがたくて馬鹿みたいに朝までそこにいて。
別に何をして欲しかったわけじゃない、と言ったら嘘になるけれど。
でも、何より貴方が動いているその様が見たかった。
貴方の姿が見たかった。
貴方の声が聞きたかった。
貴方に私の名前を呼んで欲しかった。
ただ、貴方に会いたかった。
貴方が作ってくれるご飯もお酒も洗い物をするその腕も顔も表情も髪を耳にかけるしぐさも煙草を耳に挟むしぐさも全部見たかった。
全部私の目に焼き付けたかった。
独り占めしたかった。
何をするでもない深夜3時が大嫌いで大好きだった。
優しくて優しくない貴方が大嫌いで大好きだった。
ちっともわたしに興味なんか持ってくれない貴方が大嫌いで大好きだった。
貴方に見せるみっともない自分は好きじゃなかったけど貴方が見せるみっともないところは自分だけの、この時間だけの、トクベツみたいで好きだった。
きっと、多分、ずっと私のことは見てくれないんだろうけど。
勝手に、わたしは勝手に、思い出にするから。
だから、この思いもそのまま見ないふりでいて。
なんて、やっぱり私はみっともない。
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