このシェアハウスが、私たちの帰る場所です。#11
…
…
…
○:「…」
いつものように、俺は朝ごはんを無心で作る…
○:「…」
…
…
与:「○○さん!おはようございます!」
○:「えっ!?祐希ちゃん?」
与:「おはようございます、」
○:「うん、おはよう…!」
○:「今日早いね、休日なのに」
与:「そうなんです!」
与:「今日、デートなんです!」
与:「なんかそわそわして眠れなくて…」
○:「そうなんだ、頑張ってね」
与:「はいっ!」
○:「朝ごはんもうちょっとだから、待ってて」
与:「はいっ!」
○:「…」
朝から元気だなぁ…祐希ちゃんは
こっちまで元気貰えるなぁ
まぁ…明日になれば寝起き悪い祐希ちゃんだろうけど…
○:「はい、どーぞ」
与:「おぉ!!これはなんですか?」
○:「ミネストローネってやつだよ」
○:「トマトをふんだんに使ったスープ」
与:「祐希、初めて食べます!」
与:「今日は…どんな隠し味が入ってるかなぁ?」
与:「いただきます!」
桃:「おはようございます、○○さん」
梅:「おはようございます」
梅:「えっ!祐希??」
桃:「祐希、なんでそんなに早いの?」
与:「えへへ…」
与:「デートだから、張り切っちゃった」
梅:「そっか、頑張ってね!」
○:「はい、2人ともどーぞ」
○:「祐希ちゃん、今日は何しに行くの?」
与:「カフェ行って、ゲームセンター行ってカラオケです!」
与:「その後に夜景をみて…告白!」
○:「…すごい詰め込むね」
与:「麻衣さんが教えてくれたので!」
与:「なんでも楽しむ子は可愛く見えるって!」
○:「…」
○:「まぁ、たしかに」
○:「あんま気負いすぎないようにね」
与:「ありがとうございます!」
○:「じゃあ、祐希ちゃんは今日、夜ご飯いらない?」
与:「はい、大丈夫ですっ!」
梅:「私、バイト行ってきますね!」
○:「はーい、いってらっしゃい」
与:「祐希も、そろそろ準備しますね」
○:「うん、頑張ってね」
与:「はいっ!」
桃:「○○さん、麻衣姉さんは…?」
○:「あぁ…昨日、飲みに行ってたから」
○:「お昼頃になれば来ると思うけど…」
桃:「それまで、○○さんってお家にいます?」
○:「あぁ、どうだろう」
○:「俺は今日12時からちょっと予定あって
もしかしたら俺も麻衣もいない時間あるかも…」
桃:「そっかぁ…」
桃:「桃子1人さみしいです」
桃:「しおりちゃんも寝てるし…」
○:「史緒里もねぇ…」
○:「昨日学校のお友達とバドミントンしてきたらしいから」
○:「ぐっすりだよね」
桃:「…楽しそう」
○:「桃ちゃんは学校の友達、出来たりした?」
桃:「うーん」
桃:「あんまりです。みなみん以外、喋りづらくて」
桃:「あす姉のこと、聞きにくる子が多くてちょっと怖いんです」
○:「…そっか」
○:「まだまだこれからだよ」
桃:「桃子も、麻衣姉さんみたいに色んな人と喋れるようになりたいです」
○:「麻衣みたいに?」
○:「いやぁそれは…」
白:「それは、なに?」
桃:「わぁ、麻衣姉さん」
○:「麻衣…きてたんだ」
白:「うん、お邪魔するよ」
○:「二日酔い、大丈夫なの??」
白:「うん、なんとかね」
白:「…で」
白:「いやぁそれは…の続き聞かせて?」
麻衣は優しい顔で睨んでくる…
○:「いやっ」
○:「あの…」
○:「ごめんなさい」
白:「悪口言おうとしてたんだ」
白:「ふんっ」
○:「そんなことはないけど…」
白:「けど…?」
○:「麻衣を目標にするのは、ハードル高いんじゃないかなって」
白:「そんなことないよねぇ?」
桃:「高いです」
白:「あら」
白:「私も、高校生の時はあんま喋れなかったからね」
○:「そんなことないでしょ」
白:「あるある!」
○:「変わってないもん今と」
白:「…」
白:「…私が高校生のままだって?」
○:「そんなこと言ってないじゃん」
白:「でもそういう風に聞こえるもん!」
○:「ごめんね」
○:「そんなつもりじゃないから」
白:「…」
白:「…結局○○が大人で終わるんだ」
白:「ずるい」
○:「…」
桃:「麻衣姉さん、祐希と似てるところありますね」
白:「そうかなぁ…」
○:「高校生の麻衣はたしかに、今の祐希ちゃんと似てるかも」
○:「雰囲気とか」
白:「うっそぉ…あんなに元気あった?」
○:「うん、まぁ、健気なところはそっくりだよ」
○:「じゃ麻衣俺はそろそろ出るね
夕方まで家のこと、頼むよ」
白:「えっ、どこいくの?」
○:「ちょっと…」
○:「仕事の野暮用で」
白:「…」
白:「…ふーん」
白:「行ってらっしゃい」
桃:「○○さん行ってらっしゃい」
○:「うん」
…
…
桃:「○○さん、土曜日も仕事にいくなんて大変ですね」
白:「…」
桃:「麻衣姉さん?」
白:「…嘘だよ」
桃:「えっ?」
白:「○○は、仕事なんかじゃない」
桃:「なんで??」
白:「○○って嘘つく時、黒目が左下に行って、伏し目になるの」
白:「だからあれは嘘…」
桃:「それ、ほんとなんですか?
そもそも、なんで嘘をつく理由が…?」
白:「それは…わかんないけど」
桃:「…」
…
…
…
与:「…」
今日は、楽しい日だよっ!
大好きな翼くんといろんなことして
頑張って告白するんだ!
今日のために可愛い服も着て
ちょっとメイクも学んで
麻衣さんの教えてくれた完璧なデートプランで
さいっこーに楽しむぞっ!
翼:「ごめん、またせた?」
与:「あっ、翼くんっ!」
与:「待ってないよ」
翼:「おはようっ」
与:「うん!」
爽やかな笑顔でそんなことを言ってくれる…
祐希は胸がドキドキしてます!
与:「じゃあ…カフェ、いこっ!」
翼:「…」
…
…
翼:「うん…!!ここのブラックコーヒー、美味しい」
与:「よかった」
翼:「よく知ってたね
こんな美味しいお店…」
与:「えへへっ」
ブラックコーヒー…飲んだことないんだけど
でも今日は、翼くんを見習って祐希もブラックコーヒーを飲んでみますっ!
ゴクッゴクッ…
与:「うぇ…」
与:「に、苦っ…」
翼:「…えっ?
だ、大丈夫??」
与:「い、いや!大丈夫っ!」
翼:「無理しないでいいよ?」
翼:「ミルク、入れな?」
与:「ううん、大丈夫っ!」
翼:「で、でも…」
与:「一緒のもの、飲みたいから」
翼:「そ、そっか」
…
…
カフェをでた後も、祐希のプラン通り!
与:「祐希、このぬいぐるみとりたい!」
翼:「えぇー?これ、取れるかなぁ」
与:「がんばるっ!」
翼:「うん、頑張って」
2人でゲームセンターに行ったり!!
…
与:「みら〜じゅ〜🎶」
与:「とおくか〜らみ〜たとき〜🎶」
翼:「🎶」
与:「やったぁやったぁ!」
与:「90点超えたよっ!!」
翼:「祐希ちゃんすごいじゃんっ!!」
2人でカラオケに行って、バンバン歌ったり!!
…
…
気づけば、夜になっていた…
与:「…」
今日は、翼くんと一緒にいれて楽しかった
でも、最後にもう一つ、言わなきゃ…
夜景の見えるスポットに、祐希たちは向かった…
与:「…」
翼:「…ここ、綺麗だね」
与:「う、うん…」
緊張して、喋れなくなっている祐希に対して、それをほぐすような言葉を翼くんはかけてくれた…
与:「あ、あの!」
与:「祐希、言いたいことがあって…」
翼:「…」
与:「今日は、ありがとう」
与:「楽しかったよ」
翼:「うん、ありがとう」
与:「今日、いっぱい翼くんと遊んで」
与:「祐希、翼くんのことが好きだってことに、改めて気づきました」
翼:「…」
与:「祐希と、付き合ってほしいです」
…
…
…
…
そんな夜になる、ちょっと前…
日に、沈む気配が全くないようなあの時間…
俺は、別のカフェで、待ち合わせをしていた…
○:「…」
??:「○○…」
○:「…」
??:「久しぶり」
○:「久しぶり」
○:「真夏…」
…
…
…
to be continued…
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