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このシェアハウスが、私たちの帰る場所です。#13

○:「…」

俺は久々にいつもよりちょっと早起きした…

今日は、朝ごはん得意なのを作ろっ

そう決めながら、俺は卵を溶く…

梅:「おはようございます」

○:「おぉ、美波ちゃんおはよう!」

梅:「…っ
今日は…私が1番なんですね」

○:「そうだね、」

○:「桃ちゃんも史緒里も
昨日おそくまでボーリング行ってたからね」

梅:「そっかぁ…」

梅:「でも、嬉しいです」

○:「1番なのが?笑」

梅:「はい!」

○:「そっか…笑
はいっ、どーぞっ」

梅:「おぉ〜!今日はオムレツですか?」

○:「うんっ」

梅:「なんか、懐かしいです」

梅:「この家に来て、最初に食べたものがオムライスだったから…」

○:「懐かしいねっ」

梅:「はい、」

与:「おふぁよぉございぁす…」

○:「祐希ちゃん、おはようっ」

○:「どうぞっ」

与:「わぁ、おむれつだぁ!
今日の隠し味はなんですかぁ」

○:「えへへっ、言っちゃっていいの?」

与:「先に食べてみますっ!」

与:「いただきますっ!」

梅:「いただきます」

ぱくっ

1人は豪快に、また1人は一口大に…

口の中に入れる…

与:「んぅ!あまぁ〜いっ!」

梅:「あっ、ほんとだ…」

与:「しなもんですか?」

梅:「いや、はちみつでしょ?」

○:「あっ、美波ちゃん、当たり!」

梅:「へへ〜んっ!」

与:「あっ!みなみぃん……」

与:「祐希怒ったからねっ!」


祐希ちゃんは美波ちゃんをぽこぽこ叩く…

昨日よりずっと仲良くなってて安堵が止まらない…

梅:「ごめんごめんって」

梅:「私のバイト先では、砂糖入れてるんです
今度はちみつにしたらって言って来ます!」

○:「えぇ…でも砂糖はよく言われてるよ」

梅:「○○さんって、何でそんなに料理に詳しいんですか?」

与:「たしかに、何でですか?」

○:「うーん…」

○:「高校の頃から1人で夜過ごすことがまぁまぁあったから、自分で作ってたんだけど…」

○:「そこで、好きになったのかなぁ…」

梅:「なんか、曖昧…笑」

○:「俺もあんま覚えてないんだけどさ
大学はそれで選んだからさ」

梅:「へぇ…
でも、麻衣さんと一緒なんですもんね!」

与:「麻衣ちゃんも料理上手いからなぁ…!!」

○:「いや、麻衣は学部が違うんだよね
麻衣は文学部っていう1番あたまわる

白:「おじゃま〜」

梅:「あっ、麻衣さん!」

与:「おはようございます!」

○:「おはよっ」

白:「あ、あぁ……,,,」

白:「おはよう…」

○:「だ、大丈夫??」

白:「い、いや別に…」

白:「ってそれより、なんか聞こえたけど?
文学部っていう1番頭悪いとこにいった私の話ですか??」

○:「聞いてたのかよ…」

白:「はぁ?」

○:「いやいやっ!」

○:「そんな話、してないよね…?」

俺は最後の砦の2人に尋ねた…

梅:「…」

与:「…」

2人は目を見合わせて、黙り込む…

白:「やっぱそうなんじゃん」

白:「へぇ…
○○って、そういうこと言う人だったんだぁ…」

○:「…ごめんってぇ」

白:「…っ」

与:「…ふふっ
なんか2人、カップルみたいですね!」

白:「えっ…,,,」

梅:「…っ」

○:「そんなこと…ないよ」

梅:「…」

白:「…,,,」

久:「ね、ねぇ!!」

桃:「おはようございます!!
みなみんたち、やばいよ!」

梅:「えっ?なにどうしたの急に…」

久:「がっこう!!」

与:「えっ??」

2人は時計を見るといつも行く時間まであと5分を切っていた…

梅:「えっ!やば!
ご馳走様です!みんな洗面台借りるよ!」

桃:「みなみんっ!桃子が使う!」

久:「史緒里も使いたいのに!」

与:「祐希も、準備します」


久:「お兄ふぃぁん朝ご飯いらない…!!」


史緒里は歯磨きしながらそう言った…

○:「はーい
じゃあ、麻衣これ食べていいよ」

白:「やったね
いただきまーす」

○:「いただきます」

ぱくっ

白:「うーんっ!!やっぱおいしい!
やっぱ○○の料理最高だわ…」

○:「うん、おいしい…」



久:「お兄ちゃん、行ってきます!」

桃:「麻衣姉さん、いってきます」

○:「うん、行ってらっしゃい」

白:「行ってらっしゃい~」

梅:「ドタバタすみません…」

与:「いってきま〜す!」


3人は玄関のドアを開ける…

梅:「…」

○:「どうしたの美波ちゃん?」

梅:「…」

梅:「あ、あの…」

白:「ん?」

梅:「今度…オムライスの作り方、教えてください」

○:「あぁ…なんだ
いいよっいつでも」

梅:「ありがとうございますっ!」

美波ちゃんは軽快な足さばきで家を出る…

白:「最近、美波ちゃん元気だよね」

○:「うん、そうだね…」

白:「あ、それより…」

白:「あの…さ」

○:「な、何?麻衣まで…」

白:「この前祐希ちゃんに言ってたやつ…」

○:「…」

白:「あ、あれ…真夏じゃなくて…」


白:「…私だよね」


○:「…」

○:「…うん」

白:「○○の初恋って、私だったの…?
真夏が初恋の人って…私には言ってなかった?」


○:「…何年も前の話でしょ」

○:「ごちそうさま」

白:「…まって!」

麻衣は俺の腕を取る…

白:「…あの時、心配させて…ごめん」

○:「…」


白:「私は…あの時○○のことが好きだった」

○:「…っ」

白:「だから心配かけたくなくて…バレたくなくて…」

白:「でも…」

○:「…?」


白:「あの時の気持ち、思い出したかも。」

麻衣は真剣に見つめてくる…


○:「…」

○:「…」

白:「…あっ、いや…」

白:「ご、ごめん
私、おかしいこと言ってた」

麻衣は急に俺の腕を離す…

白:「ごちそうさま、私も仕事行かなきゃ」

○:「…」

○:「…」

俺は今日も、いつもと同じデスクワークを行っていた…

○:「麻衣のやつ…何言ってんだよ」

○:「…」

さっきの食卓の光景が、蘇ってくる…

○:「はぁ…」


俺はその他に、考えてる事もあった…

それは、1週間くらい前だったかな….


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○:「久しぶり、真夏…」

真:「うん」


真夏は少しおどつきながら、席につく…

○:「で、今日は…?」

真:「…あのさ」

○:「…」

真:「私たちの家…」

真:「いや、○○の家…
今、女の子が住んでるでしょ?」

○:「う、うん…」

真:「その子とは、どういう関係なの?」

○:「…」

○:「あの子たちは、親がいなくて…
俺は、麻衣と里親になっている…」

真:「…」

真:「…まいやんと、実際の縁はないの?」

○:「うん」

真:「…」


真:「…私、よりを戻したい」

○:「…はっ?」

真:「…馬鹿なこと言ってるのは分かってる
沢山傷つけた○○に何言ってんだと思うし、」

真:「私に言える資格なんてないのも…」

真:「でも…」

真:「私は○○が好き…」


○:「そんなこと言ったって…
真夏は子供ができるんじゃないの?」

○:「妊娠検査薬だって」

真:「してないの。」

○:「…」


真:「私、してないの。妊娠…」

○:「…ちょ、ちょっと待ってよ
理解が追いつかないんだけど…」


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生:「○○く〜んっ」

○:「…はっ」

気を確かにすると、生田さんが顔を覗いていた…

○:「ご、ごめんなさい」

生:「えっ?なにが?」

○:「えっ…いや、あの…」

生:「○○くん、何かまた悩んでるよね…?
顔がすーんごい暗くなってたよ」

○:「あっ…」

生:「もしかして、恋人のこと?」


生田さんは笑いながらそう言う…

○:「えっ…」

生:「まっ、○○くんに限ってそんなことはないかっ奥さんとホヤホヤだもんねっ」

○:「あっ、いや…
僕…婚約…破棄したんです」

生:「…えっ」

○:「結構、前に…」

生:「そ、そうなんだ…
まいちゅんが言ってたこと、ホントだったんだ…」

○:「えっ?新内さん?」

生:「あっ、いやいつかの前にさ、
まいちゅんがそんなこと言ってたのよ」

生:「ひなちまも知ってそうな感じでさ」

○:「いや…僕多分新内さんにも樋口さんにも言ってないと思いますけど…」

○:「というか、誰にも…」

生:「えっ、じゃあなんでだろう…」

○:「噂って、怖いですね」

生:「ね!怖いね!」

○:「生田さん…あんま言いふらさないでくださいね?」

生:「もちろんもちろん!
言いふらすわけないじゃん!」

○:「そういう人がいちばん怪しいんですよ?笑」

生:「もぉ~」

生:「相談乗ってあげようと思ってたのに…」

○:「あっ、それは…
近々、頼んでも…いいですか?」

生:「うん、いつでもいいよ」

○:「ありがとうございます」

○:「ただいま〜」

梅:「あっ、○○さん、おかえりなさい」

○:「…」

○:「…あれっ、美波ちゃんひとり?」

梅:「そうなんです…」

梅:「しおりはお友達と遊びに行ってて」

梅:「桃子と祐希は…」

○:「…?」

梅:「補習です」

梅:「2人、成績めーっちゃ悪いから…」

○:「そうなんだ」

梅:「○○さん、オムライス、教えてください」

○:「あぁ、朝言ってたやつ」

○:「全然いいよっ」

梅:「…」

○:「一応レシピがこれっ」

梅:「うわぁ、バイト先と全然違う…」

梅:「私、キッチンよく任されるようになって
だいたい覚えてきたんですけど」

梅:「これより簡素的です…」

○:「まぁ洋食カフェは提供の速さも気にしてるだろうからね…」


○:「美波ちゃんはオムライス、どんな感じで作ってるの?」

梅:「結構普通に油敷いて、卵入れて表面に貼り付ける感じですね」

梅:「なんかそれだとふわとろにならなくて…」

○:「ふわとろにしたいのね」

○:「そしたら…」

梅:「…」

俺はフライパンを持っている美波ちゃんの手を握って、一緒に卵を敷く…

○:「この時に上に傾けながら…
ここで、卵を外側から中心に行くように回して!」

梅:「はいっ!」

梅:「…」

美波ちゃんは真剣に取り組んでいる…

○:「…」


今日のお昼に考えてたことなんて、すっ飛んで抜けている…


梅:「…」

梅:「…できた!」

○:「うん、焼き加減も上手!
これを、上手くひっくり返す!」

梅:「ほいっ!」

○:「おっ!上手じゃん!」

梅:「やったぁ!」

○:「じゃあ、これ食べてみる?」

梅:「はい!」

梅:「いただきま〜す!」

○:「いただきます」

梅:「んぅ、おいしい」

○:「うん、ちゃんとふわとろだよ」

梅:「でも、○○さんのにはない何かが足りないんですよねぇ…」

○:「そうかな?
あんまり変わんないように思うけど…」

梅:「うーん…」

○:「…」

梅:「でも、○○さんと2人で、こんなこと出来て、嬉しかったです」


梅:「また、やりたいな…」

○:「そうだね、いつでもいいよ」

梅:「…」

梅:「…最近、私変なことばっかり考えるんです」

○:「…ん?」

梅:「私、最近何でも元気に出来て…」

梅:「…」

○:「…」

梅:「私こんなに、旺盛になったことなくて
なにがそうさせてるんだろうって」

梅:「ずっと考えてました」

○:「うん」

梅:「でも、分かったんです」

○:「ん?なに?」

梅:「…」


梅:「…おかしなこと、言ってもいいですか?」


○:「急に…?」

○:「大丈夫だけど…」

梅:「…笑いませんか?」

○:「…うん」

梅:「…」

梅:「…私、いつからなのか…分からないけど
○○さんの優しさに触れる度に、」

梅:「胸がときめくんです」

○:「…?」


梅:「私。○○さんに、恋しちゃいました」

○:「…」

○:「えっ…」

to be continued…

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