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クールなせんぱいが全く甘えてくれないので、アマエタクナールを使っちゃいました!

遠:「…」

○:「…」

遠:「…じーっ」

○:「…」

遠:「じーっっ」

○:「…」

遠:「じぃぃーっっっ!!」

○:「なんだよ」

○:「うるさいな」

遠:「せんぱいっ…もうちょっと構ってください」

○:「やーだ」

遠:「なんでですか?」

○:「ほんとは今日会う予定もなかったじゃん」

遠:「さくはいつだってせんぱいに会いたいです!」

○:「だめだよ
受験も近いし…」

遠:「関係ないです!」

遠:「一回だけ!
遊びに行きましょ?」

○:「…そういって、もう6回くらい遊んでるけど」

遠:「最後の一回です!」

○:「やだ!」

遠:「そもそも、いつもせんぱいが悪いんです」

○:「なにが…」

遠:「せんぱいが、さく以外の子としゃべるから…」

○:「そりゃいくら付き合ってたって他の子と、お喋りくらい…」

○:「って!」

○:「付き合ってないから!」

遠:「ん〜やぁだっ!
せんぱいの彼女はさくでいいんです!」

○:「そういえばこの前
かきちゃんに遊びに行こって言われた」

遠:「…は?」

○:「いや、かきちゃん
さくらだって知ってるでしょ?」

遠:「かっきーが?」

○:「うん」

遠:「せんぱい、行くんですか?」

○:「うーん…
考え中…?」

遠:「かっきーだけは…だめぇ!!!」

○:「なんでよ、かわいいじゃん」

遠:「だからですよ!
かっきーがもしせんぱいのこと好きになったら…」

遠:「さく、もう生きていけない…」

○:「そんなこと言ってくれるのは有難いけどさ」

○:「かきちゃんだよ?
あんな可愛い子、俺のこと好きにならないでしょ…」

○:「そんなにかきちゃんと喋るわけでもないし」

遠:「せんぱい、かっきーと私」

遠:「なにが違いますか!」

○:「せいかく」

遠:「どっちの性格の方がいいんですか?」

○:「どっちがいいとかはないけど…
かきちゃんには、甘えたいかも」

遠:「えっ…」

○:「さくらに甘えられることはないし」

遠:「せんぱいは、甘える方が好きなんですね」

○:「いや、だからそんなこといってな…」

遠:「わかりました!
さくに甘えてもらえるようになります!」

○:「…はい」

それからというもの…

遠:「せんぱい、お悩み事とかあったら!」

○:「うーん…」

遠:「せんぱい、わすれものありませんか!」

○:「えっと…ないかも」

遠:「せんぱい、帰り道危ないですよ!」

○:「…なにが?」

遠:「えっと…くまが出てくる!」

○:「…ふふっ
そんなわけないでしょっ」

○:「もしホントにそうなら、さくらこそ帰っちゃダメだよ?」

遠:「うぅ…」

遠:「…」

せんぱいが、甘えてくれません…

賀:「せーんぱいっ」

○:「あっ、かきちゃんどうしたの?」

賀:「はいこれっ」

○:「…あっ!」

賀:「シャーペン、忘れてましたよ?」

○:「届けてくれたんだ…」

○:「ありがとう」

賀:「私もちょっと借りちゃったから、大丈夫です!」

○:「かきちゃん
この後、ドーナツ食べに行きたいっ」

賀:「えっ!
しょうがないなぁ…」

賀:「行きましょっ!」


遠:「だぁぁぁめぇぇぇぇぇっっっ!!!!」


賀:「…….!!」

○:「びっくりしたぁ…さくらか…」

賀:「さく、どうしたの?」

遠:「ムッ!!」

遠:「せんぱいっ!!どうしてかっきーとドーナツ食べに行くんですか!!」

○:「聞いてたのかよ…」

遠:「聞こえたんです!たまたま!」

賀:「ほんとにたまたま?」

遠:「たまたま!!」

○:「俺ら、甘いもの大好き同盟だからさ
いつも甘いものは共有してるんだよ」

賀:「そう!」

賀:「このまえ先輩がおすすめしてくれたショートケーキ、めっちゃ美味しかったです!」

遠:「うぅぅ…!!」

遠:「さくだって甘いものは好きですっ!」

遠:「かっきーかえれっっ!!」

遠:「かっきーかえれっっ!!」

賀:「ちょ、ちょっとさく、どうしたのさ」

○:「さくら落ち着けよ…」

遠:「せんぱいはさくのものだからっ!
かっきーであろうと容赦はしないっ!」

賀:「ま、また後日にします?」

○:「…そ、そうだね」

賀:「じゃ、先輩お疲れ様です」

○:「おつかれさま、」

遠:「さぁ、これで私はせんぱいと2人きり…」

○:「…」

遠:「せんぱい?どーしたんですか?」

○:「……」

○:「💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢」

遠:「せ、せんぱいっ、落ち着いてくださいっ…」

○:「ドーナツ💢💢
食べたかったのに!!!💢💢」

遠:「さ、さくと行きましょうよ!
さくもあまいもの大好きです」

○:「もういいっっ!!」


せんぱいは怒って帰っちゃいました…



遠:「…」

遠:「…ああああぁぁぁぁぁっっっ!!!」

遠:「やらかしたぁぁぁ!!!!」

遠:「どうしようっっ!!」

遠:「…」

遠:「…」

遠:「せんぱいに、あまえてもらいたかっただけなのに…」

遠:「…」

遠:「でも、かっきーはずるい…
なんであんなに甘えられて…」


かっきーにドーナツ食べに行きたいって言ってたせんぱいの顔を思い出す…

遠:「どうやったらさくにも…」

遠:「…あれを、使うしかないのかなぁ」

○:「…」

せんぱいはお昼の時間、いつも屋上にいる…

いつものように屋上まで、足を運ぶ…

遠:「…あれ?」

今日は、いない…

おかしい

1時間目、見た時はいたのに…

なんでって思いで、屋上から去りました…

放課後、いち早くせんぱいの教室に向かう…

遠:「あっ、いた…」

遠:「…」

せんぱいを見つけた嬉しさとその反面、

まだ怒ってないかなって心配にもなる…

せんぱいが出てきそうなまで、じっと待つ…

遠:「せんぱいっ!」

○:「…ん?ど、どうしたの…?」

遠:「い、いやっ、
今日は図書館、行くんですか?」

○:「うん…」

遠:「さ、さくも…
ついてっていいですか…?」

いつもは、勝手についていってたから…

こうやって事前に言うのなんて初めてだ…

○:「い、いいけど…?」

遠:「やったぁ
じゃあ、行きましょっ?」

○:「うん…」

遠:「はぁ、やっぱりここ、落ち着きますね」

○:「うん…」

遠:「せんぱい、ちょっと元気ないですか?」

○:「…?」

○:「いや、そんなことないけど…」

遠:「けど?」

○:「あの…」

○:「…」

○:「ご、ごめんね」 

遠:「えっ?何がですか?」

○:「あの、昨日…
言いすぎちゃったって、反省してる」

遠:「そ、それは…
ぜんぜん、大丈夫ですっ!」

遠:「さくこそ、ごめんなさい」

遠:「せんぱいも、かっきーと遊びに行きたくなったりしますよね」

遠:「さく、自分のことしか考えてなくて…」

○:「ううん、もう大丈夫だよっ
かきちゃんには、俺から謝っといたから」

遠:「…」

○:「…」

○:「…はいこれっ」

せんぱいは、3個くらい入ってるドーナツを差し出した…

遠:「えっ?!」

○:「昨日…あの後、結局買いに行ったんだ」

遠:「さ、さくとでいいんですか…?」

○:「…」

○:「…ほんとは、かきちゃんにもあげようと思ってたんだ」

遠:「…」

○:「お昼の時間に、かきちゃんのクラスに向かったんだけど」

遠:「…はい」

○:「かきちゃん、今時間ある?」

賀:「あっ、先輩、お疲れ様です」

賀:「全然大丈夫ですよ!」

○:「かきちゃん、昨日はごめんね」

賀:「それも、大丈夫ですっ」

○:「よかったら…これ、1個どうぞ」

賀:「えっ!昨日のドーナツ??」

○:「そう、あの後、買いに行ったから
1個は、さくらのだけど…」

賀:「…」

賀:「せんぱい。」

○:「ん?」

賀:「ふたつとも、さくにあげてください」

○:「えっ?」

賀:「さく…どうしてもせんぱいとドーナツ、食べたかったんじゃないですかね…」

○:「…」

賀:「さくは、めんどくさいです」

賀:「なんでも私にやって~って言うし、やらないと拗ねるし」

賀:「でも、そんなさくでも、いい子なんです」

賀:「特に先輩のことは…」

○:「…??」

賀:「考えてる事は相変わらずばかですけど…
四六時中、先輩のことしか考えてないし」

賀:「大好きなんですよ、先輩のこと」

○:「…」

賀:「だから…先輩も、さくのことめんどくさがらずに接してあげてください」

賀:「なんだかんだ、さくは甘やかさないとだめなんですよっ」

○:「…そ、そっか」

○:「ありがとう…」

○:「って、かきちゃんに言われて…
さくらのこと、面倒くさがってたなって…」

○:「反省…してる」

遠:「せ、せんぱい…」

遠:「うぅ…」

○:「な、泣いてるの…?」

遠:「ううん…」

さくらは、強がってそんなことを言う…

○:「た、食べよ?」

遠:「…はいっ!」

遠:「いただきますっ」

ぱくっ

遠:「おいひぃ…」

○:「おいしいね」

遠:「うん…」

ナデナデ

○:「やっぱりさくらはかわいいねっ」

遠:「う〜ん…」

○:「ど、どうしたの?」

遠:「さく、せんぱいに甘えて欲しいんです」

○:「…ふふっ」

遠:「な、なんで笑うんですか!」

○:「それ、昨日から言ってるけど…
甘えさせかた、へっただなぁって思ってたよ」

遠:「むぅ…!!」

○:「甘える、ってのはやっぱりかきちゃんかなぁ
さくらには甘えられないっ」

遠:「むきぃ……っっ!!」

そういってドーナツを食べるせんぱい…

さく…強硬手段にでます

遠:「ご馳走様でした!」

遠:「美味しかったです」

○:「うん、おいしかった」

遠:「せんぱい、甘いもの食べると喉乾きますよね
さく、お水2つさっき買ってきたんです」


実はこのお水に、さくの仕掛けがあるんです!!

○:「お、気が利く…」 

○:「あれ、でもなんで?」

遠:「…えっ?」

○:「さくら、ドーナツのこと、さっきまで知らなかったじゃん」

遠:「…!!」

遠:「あっ、いやぁ…!!」

遠:「さっきから言ってたじゃないですか!
こういう気が利くとことかで、甘えて貰えたりするのかなあって」

○:「…」

○:「……?」

せんぱい、怪しんでる…

…鋭い

○:「さくらって…なんかそんなにそわそわしてる子だったっけ」

遠:「そわそわ??してないですしてないです」

遠:「さくが甘えさせたいって言ったの、そんなに不自然でした?」

○:「いや、そんなんじゃないけど…」



そういってお水を取る…

ゴクッゴクッゴクッゴクッ……

怪しみながらも、めーっちゃいっぱい飲んだっ!!

結局飲んでくれればいいのよっ!


○:「…」

○:「さぁっ、さくぅ」

遠:「はぁっ!」


しばらくして、勉強を始めたせんぱいにやっと仕掛けが!


○:「しゃぁくぅ」

○:「勉強つかれたぁ❤️」

遠:「せ、せんぱいっ!」


せんぱいが、さくに甘えてるっ!

これもすべて、アマエタクナールの力!

さっきのせんぱいのお水に、アマエタクナールをいっぱい入れちゃったんだ!

○:「しゃくぅ」

○:「膝枕したぁいっ❤️」

遠:「どっ、どうぞ!」

○:「んぅ〜っ」


せんぱいはさくの太ももに頭を預ける…


遠:「えへへっ」

ナデナデナデナデッ

遠:「いつもやられてるもん
やり返しっ」

遠:「きもちぃですか?」

○:「うんっ」

○:「居心地すごいいい」

○:「撫でられるのもすごいいい…」

遠:「ふふっ、いくらでも撫でてあげますよっ」

ナデナデナデナデッ

○:「えへぇ」

○:「きもちぃ❤️」

遠:「…,,,」


せんぱいがこんなに甘えられる人なんて!これは鼻の下がのびのび〜って感じ!

みたかかっきー!!

甘えるせんぱいはかわいいんだぞぉ!

こんなに甘えるせんぱいをみたのはさくだけだねっ!!

○:「しゃくぅ」

○:「だきついていいっ?❤️」

遠:「……,,,」

膝枕してるせいで、全てが上目遣いになる…

か、かわいいっっ!!

私もちょっと照れちゃったけど…

遠:「いいですよっ」

○:「やったぁ」


ぎゅぅっっっ~!!

遠:「せんぱいのにおい、いい匂い…」

○:「しゃ、しゃくぅぅ…」


せんぱいは、さくの肩に顎を乗せるように抱きついた…

遠:「どうですか?せんぱい」

○:「きもちぃ」

○:「しゃくだいしゅき…」

遠:「えへへぇっ」

最大限に甘えた結果、そんなことも言うようになったんだ…

もぉ、いまのせんぱい、かわいすぎるよぉ!

○:「しゃくぅ」

○:「きす…したいっ…,,,❤️」

遠:「…,,,」


流石のせんぱいでも少し照れながら言っている…

私も目線があっちゃって、慌ててそらす…

遠:「…いいよっ」

○:「やったぁ」

せんぱいは一直線に、私の唇を目掛けて自分の唇との影を重ねた…

遠:「…っ」

遠:「かわいいし嬉しい…」

きょうはもうこのまま甘えさせよう…

遠:「あれ…
これ、どうやって戻すんだっけ…」



遠:「まっ、いいか!!」

さくは、これからずっと、この甘いせんぱいをお世話することに決めました…!







つづ…………………きません。

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