皆保険をいかに維持するか
社会保障関係費が予算ベースで40兆円に迫っているとか。
やはり医療制度改革は喫緊の課題なのでしょう。
よく言われるように、高齢者の医療負担がとかなんとかありますが、このシルバーデモクラシー真っ盛りの日本であんまりドラスティックなことができるはずもなく。
よく海外との比較なんて聞きますが、同じ様なことができるかについてはなんとも。
少なくとも、議論の元となるデータは必要なんですが、これがなかなか。
上記の入院期間に関しても、少なくとも各論的にみるとどうしたものかという現状ですね。
そもそも医療制度やその周辺の環境自体が全く異なるので、あまり一概には比べられないのかなと思ったり。
比較に出ていたスウェーデンも、そんな状態なのに受診できないのかと日本人の感覚では思いますが、そこはしっかりとサポートする制度と自己責任で対応している様です。
それがいいかどうかは別として。
いずれにしても制度や設計思想が異なる国を真似てもあまり意味はなかろうなと思ったりします。
人口あたりの病床数が日本は確かに多いのですが、海外では病院以外の施設が整っていたりしますしねぇ。
それよりも、何度も書くのですが、高齢化先進国としてとっとと国をあげてデータを集めて、医療の要不要を科学的に明らかにすることが、時間はかかれども、実は近道な気もします。
高血圧の病名のもとに複数の薬品を内服しているなんてのはよくみる光景ですが、それって本当はどれくらい意味があるのでしょう?
残念ながらノーベル賞を獲ることが叶わなかった遠藤先生のスタチン。
このおかげでアメリカ人の脂質コントロールは良好になったが、その影として脂肪摂取量は増えたなんて笑えない話も。
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140507.pdf
日本でもようやく長期収載品の選定療養が始まりました。
どんどん進めるべきでしょう。
なんかゴネてあくまで先発品を希望する人もいる様ですが、もういっそ差額は全部自費でいいのではないかと思うのです。
もちろん、ジェネリックの製法等に関してはかなりザルいところがあるので、そこはしっかりとする必要があります。
また、痛み止め等に関しても、もう全部薬局で購入でいいのではないかと思ったりします。
もしくは急性期病名に対して最大1ヶ月は処方薬、以降は市販薬で、というのもいいと思います。
慢性病名に対するいい加減な(と言ったらあんまりですが)投薬は制限する方向でもいいのかなと、アメリカに住んでいた時の記憶を頼りに思ったりしています。
もちろん貼り薬も。
少なくともムダ、つまりあまり生命予後に関わらないようなものに関しては保険の適応から外して、制度自体を少しづつでもスリム化していくことを目指していく必要があるのかなぁと、喫緊の課題だとか言っときながら思います。