[仕事も勉強も趣味も]言語優位女の生存戦略
授業や仕事では資料を見ながら話を聞いたり、スポーツやゲームでは一瞬で流れる情報に反応したり… こういった視覚と聴覚のマルチタスクが求められる場面に対し、私はずっと苦手意識を抱えてきました。
「言語による処理は得意な一方、視覚と聴覚を同時に使う場面では混乱しやすい」。潜在的に気づいていた自分のこの特性が、言語優位によるものだと気づいたのはつい最近のことです。
今回は、言語優位人間ならではの得意なことと苦手なこと、そして24年間生きてようやく気づいた、苦手なことと付き合うための工夫について書いていきたいと思います。
好き・得意なこと
プログラミング
私が得意なのは、文字や静止した情報を整理して、そこから意味を見つけることです。そんな私にとって、ITエンジニアという職業はピッタリ合っていると感じます。
例えばコードの構造を考えたり、ドキュメントを読み解いたりする過程は性に合っています。また、いわゆる「背中から学ぶ」といった、人の言動を観察して感覚的に学ぶ方法が苦手なため、文字ベースで体系的に勉強して、スキルを効率よく身につけやすいのもありがたいです。
とはいえ、視覚と聴覚のマルチタスクが必要なMTGは苦労するのでは?と思われるかもしれませんが、現状はAIを活用したり、事前準備をしたりすることでなんとかなっています。詳しくは「苦手との付き合い方」で後述します。
読書
言語優位の得意分野と言って間違い無いでしょう。技術書やビジネス書を含め、多くの本で得た知識が仕事に活かせています。
自分のペースで楽しめる趣味
読書以外では、漫画、AI画像生成、メイクなどが好きです。
漫画は言葉や背景から、キャラクターの本音を追っていくのが好きです。細かい描写からの観察が苦手なぶん、見落としている部分もありそうですが..
AI画像生成はこだわりを持って、試行錯誤しながら理想を追求する過程が好きです。
視覚に寄った趣味が多いのは意外かもしれませんが、静止しているおかげで情報量に置いていかれることがなく、自分のペースで楽しむことができています。
苦手なこと
リアルタイムで処理すべき動きや音が多すぎると、脳内で重要な情報の取捨選択ができず、意味のあるものに変換されずにすり抜けてしまうのが悩みです。
授業
私は高校に入って授業の難易度が上がると、みるみるうちに成績が下がってしまいました。ただでさえ、板書や教科書を見ながら先生の話を聞くというマルチタスクは苦手だった上、私は具体→抽象方向への理解、つまり断片的な情報を元に本質を理解することが苦手でした。
「今日の授業こそは頑張ろう」と思っても、大抵は単元の途中からのスタートです。全体の流れのなかでその授業が何を目指しているのか理解できず、結局また置いていかれてしまう、の繰り返しでした。
舞台鑑賞
かつてジャニーズの推しがいたものの、推しが出演する舞台の楽しみ方がわからないのが悩みでした。セリフ、ダンス、照明、音楽など情報が多すぎると混乱してしまい、観劇後は「推しの顔面が良かった」といった浅い感想しか捻り出せませんでした。
推しの努力を正当に評価できないのが嫌で、観劇を負担に感じるようになったため、私はオタクを辞めてしまいました。
映画
舞台と同じ理由で、情報量が多い映画にも苦手意識を抱いていました。
大学の実験
「化粧品が好き」という理由で、なんとなく大学の化学科に進学したものの、途中で化学実験が苦手なことに気づきました。実験では、リアルタイムで起こっている変化を見極めて次の判断をしなければなりません。しかし化合物の状態に気を取られると、肝心の実験操作まで意識が回らず、ミスをしてしまうことがよくありました。
実験操作そのものも手を動かして感覚的に身につけるものが多く、苦手意識を持っていました。テキストを読み込んでシミュレーションすればまだなんとかなったものの、油断して準備を怠った時は失敗して、そのたびに自分が情けなくて落ち込んでいました。
スポーツ
私は運動不足解消のため、初心者向けのテニススクールに通っています。
テニス自体はリフレッシュになって良いのですが、「相手のプレイやボールをもとに、次はどういう振る舞いをすべきか」とっさに判断できず、なかなか上達しません..
苦手との付き合い方
「言語が得意、視覚と聴覚の同時処理が苦手」を明確に意識したのは最近のことですが、自分が心がけていることを整理すると、以下の3つに分類できると思っています。
1. 視覚・聴覚の処理を分割して負担を減らす
自分に馴染みがない情報が同時にやってくると、何もできなくなってしまうため、まずは敢えてどちらか一方に絞って情報をキャッチしています。
仕事
プレゼンや会議では、事前に資料で視覚情報をキャッチアップしています。この方法なら、当日は予備知識をもとに、相手の話を聞くことに専念でき、頭の中で整理しやすくなります。オンライン授業
大学時代はコロナ禍真っ只中だったため、実験以外の科目はほとんどがオンライン授業でした。前述の通り、高校のリアルタイム授業でついていけなくなった経験があるため、この時は自分のやり方で勉強できる環境に本当に助けられました。
具体的には資料やビデオのスクショ、教科書を使って視覚情報のインプットを行い、その後、動画を倍速で視聴することで、同時処理による負担を減らしていました。
2. 自分の得意な言語、文字に変換して整理する
映画
一人で見る時は映画館ではなく、自宅でメモをとりながら見ています。文字情報として整理することで、重要なポイントが整理されて、純粋に楽しめるようになりました。
また見終わってから感想をまとめたり、ブログで他人のレビューを見て理解を深めたりすることもよくあります。側から見たら笑われるかもしれないですが、自分には欠かせない工夫です。大学受験勉強
予備校には行かず、参考書を活用して自分のペースで勉強していました。超丁寧に解説されている入門書もあったおかげで、高校1~2年の落ちこぼれを取り戻すことができました。
まだ言語優位という概念を知らなかったものの、この頃ようやく、自分は言語ベースでの情報処理が得意であることに気づき始めたと思います。
3. そもそも苦手なことで無理に頑張ろうとしない
わざわざ苦手な分野でもがく必要はないし、与えられたカードで勝負するほうが私には合っていると感じました。
大学の実験
化学が向いていない自覚はありつつも、ほとんどの人が院進する環境だったため、「院に行かないのは負け」というくだらないプライドで進学しました。
ですが、最終的にはプライドなんてどうでもよくなって中退しました(苦笑)この選択は正しかったと思っています。アイドル
かつて好きだったアイドルの全てを追うのではなく、無理なく楽しめる距離を見つけました。例えばダンスや舞台の頑張りを評価するのは難しいですが、歌声やビジュアルを楽しむことは好きです。
また、アイドル同士の人間関係や、努力する姿勢、ストーリーを見守るのも好きで、漫画や小説を読む感覚に近い楽しみ方をしていると思います。
番外編:まだ付き合い方を見つけられていないこと
スポーツ
運動習慣は手放したくないため、うまくテニスを楽しむ方法を見つけていきたいです。もっと負担が少ないスポーツに切り替えるしかないのかな(泣)
終わりに
言語優位というよりは、視覚と聴覚の同時処理が苦手な人間の生存戦略になってしまったかもしれません。ですが、得意なことを活かして、苦手なことを無理に頑張ろうとしないだけで、仕事や生活全般がずっとスムーズに進むようになった気がしています。
自分のこの工夫が、一人でも多くの人の助けになれば嬉しいです。