「君が記憶を失っても・・・」
タイトルの言葉は、私の書籍の帯に書かれているものです。
小説のネタバレが含まれます。
私が書いた小説は「若年性アルツハイマー病」というのがテーマになっています。
『大切な人が自分のことを忘れてしまったら、あなたはどうしますか?』
そう考えた時の恐怖、不安、その時にこの物語を書いてみようと決めました。
アルツハイマー病という名前は今でこそ知っている方も多いと思います。
その中で若年性アルツハイマー病という若い方が発症してしまうものがあります。この『若年性』というのは65歳未満で発症する認知症を言うようで、アルツハイマー病という病気は高齢者が多くなってしまうものと思われています。
ですが稀にもっと若くして若年性アルツハイマー病を発症してしまう例もあるそうです。
私はそれをテーマに小説を書きました。
この小説を書いたのが2016年。2017年に書籍になりました。
その時点で私がアルツハイマー病について調べた時には、早期発見で病気の進行を遅らせる薬というのが開発されているというのを読んだ記憶があります。
ですがそれは、早期発見出来た場合です。
老人になれば物忘れも多くなり、認知症と診断されれば「仕方ないね」というふうにとられがちです。ですからアルツハイマー病と診断されるのに時間がかかる例も大いにあるそうです。
私がこのnoteを初めてすぐの頃に、よしぱらさんとお話させていただく機会がありました。
よしぱらさんは介護職をされていて、認知症患者さんを見られています。
よしぱらさんの仕事、職場での記事は本当に大変な思いが伝わってきます。
周りの理解がないと本当に辛い仕事になってしまうんじゃないかとさえ思います。
この小説を書く前によしぱらさんに出会っていて、認知症患者さんのことをもっとリアルに知っていたら、また書く内容も変わっていたのかな?と思ったりします。
そんなアルツハイマー病に嬉しいニュースが飛び込んできました!
アルツハイマー病に新薬が出来たということです。
私が小説を書いた5年前には知りえなかったこと。
値段が高額であったり、他のニュースでは賛否があるように伝えていますが、患者さんの気持ち、先の見えない未来への不安、ご家族の思いなども含め、新薬のリスクよりも上回る結果が出たというのが、新薬承認の大きな理由だそうです。
このニュースを聞いたとき未来への光が見えた気がしました。
私の小説を読んでくださった遊月さんが、このアルツハイマー病新薬について詳しく記事にしてくれています。
遊月さんは薬などについて詳しく、いろいろ調べてくださっています。
私が小さい頃は、認知症という病気は珍しいものでした。
それが今では、友達のおばあちゃん、おじいちゃんが認知症だったり、お父さんもそう診断されたという話や、認知症というものが当たり前のように耳に入ってくるようになりました。
そのものがとても身近なものになっていると感じるようになった。
だからこそ、このニュースは未来へ繋がる一歩として嬉しいものでした。
なんに対してもリスクはつきもので、否定的な意見はつきまといます。
ですが、マイナスばかりを見るのではなく、今後の研究に大きな期待が出来るものとして、私はこの記事を書くことにしました。