思い出
私は過去の『思い出したくないこと』『思い出せないこと』がある。
それはきっと誰にでもあることかな?とは思うけれど、両親のいる普通の家庭で育っていない私としては、ちょっと意味が違うかもしれない。
思い出したくないことは、そんな子供時代のこと。
まあ、いろいろあった学生時代だった。思春期なのに友人や恋や学校での悩みなんてなかった。悩みは家族のことばかりだった。
子供ながらに「こんなことしてる同級生は誰もいないよ」そう思うくらい、家族に縛られていた時だった。
私の前の記事を読んでくれている方なら知っていると思うが、この頃から漫画家を目指し、漫画家という夢を叶えても、家族のことで漫画家を断念するという人生に繋がって行く。
思い出せないのは、家族がみんな亡くなって一人で生きていかなければいけなくなり、がむしゃらに働いていた時のこと。もちろんこの時には漫画家を続けるのは難しいと思い始めていた時だ。
これは、思い出せないというのは言い過ぎかもしれないが、本当にがむしゃらで、あっという間に通り過ぎたという時間だった気がするから。
今考えれば、この時間を自分の夢であった漫画家や小説家としての時間に充てられていたら、今の私はもっと有意義に生きていたかもしれない(作家としての才能を発揮していたかもしれないw)……そんなふうに思ったりする。
でも、違う。
その時間があったから、今の自分がある。
下の記事を読んでそう思えた。
私の好きなhisuiさんは、いつも気付きをくれる。
漫画家を諦め、再び小説というクリエイティブな世界に飛び込むまで何年かかっただろう。人生の半分の時間を生きるための、しなければいけない仕事に使った気がする。
でもその時間があったからこそ、素敵な人たちとの出会いや学びもたくさんあった。
その経験があったから、今のもの書きとしてのアイディアであったり、感情がある。
hisuiさんのいう「休み」の時間が私には必要だったということかもしれない。本当の自分を取り戻すための長い「休み」が。
今思えば、ちょっと長すぎって言いたくなるけれど。
結婚して子供が生まれて、話を聞く知り合いの子供よりも大人しく過ごしてくれていた息子のおかげで、この余裕のある時間に、もう一度小説を書こう!という気持ちが芽生えた。
もうここで、手をかけない静かに過ごしてくれる息子というのが運命を変えたのかもしれない。(今はウルサイw)
それからは何かが吹っ切れたように書いた。
朝から晩まで働いていた頃のように、何かしたくても「明日早いから寝ないと……」とか、「あー、明日は帰りが遅いんだ……」とか、自分のやりたいことが時間の制限で出来なかった時とは違う。
もちろん家事や、子育てという時間は必要でも「仕事に行かなければいけない」という、なんというか焦りにも似た思いがなくなっただけ、私の気持ちは楽だった。
人見知りの私が、接客業を通じてずいぶん変わったこと。コミュニケーションをとることが自分は得意なんだと思えたこと。それは昔の自分を思うと考えられないくらいの進歩で。
もしかすると、そういうことを克服するための試練の時間だったのかな?とも思える。
下の記事にも書いたが、結婚、子育てのタイミングでやっと私に自分を優先していい時間が与えられたのかもしれないと感じた。
正直、年齢的に「〇年前の夏って何してたっけ?」とか「アンパンマンミュージアムって何年前に行ったっけ?」って、数年前のことさえ忘れている自分もいるが、大切にしたい家族が出来た今は、すべての思い出は忘れたくないと思う。
私の実家の家族写真なんて、今はもう一枚も残っていない。
でも、家族が出来た今は、無駄に写真が多いw
それくらい大切なものが出来ると違う。
そしてこれから起こることも、忘れたくないという思いいっぱいの素敵な思い出を作っていきたい。
そんなことを、今日の獅子座新月のお願い事に書いてみようと思う。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。