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【詩】青息吐息

給食の時間に流れるカレーの匂い
森色のラテ
白い空の向こうには青き山
ひとり身動きできない僕は注文番号を間違え、
そもそもの番号を忘れ、
ガムシロップと間違えて森にミルクをこぼした
白む森をかき混ぜながら、青息吐息
変化を嫌う風が僕の周りで吹き荒れ、僕の体温も奪っていく
甘い蜜もくれないのに
苦いままのラテも美味しいけれど、望んで選んだ味じゃなかった
現実とやらもこの程度なら飲み干せただろう
そうじゃなかったから動けなくなった
14万は想像よりも遥かに渋く、辛い
残念ながら僕は甘党だから、
お茶菓子が欲しいだけなのだ


作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。