”好き”コンプレックス
みなさんには「推し」っていますか?
アイドル、俳優、アニメのキャラクターでもなんでもいいのですが。
一時期、話題になりましたよね「推し活」。
小説でも『推し、燃ゆ』、漫画でも『推しの子』。
「好き」の最上級的表現が「推し」だと思っているんですが、
僕は今まで「推し」というものを作ったことがありません。
かといって「めちゃめちゃ好き!」という感覚がないというわけでもありません。
僕自身、ダンスに没頭したこともありますし、世界遺産も検定で1級を取得するほど好きです。
でも僕の周りには24時間のほとんどを世界遺産やダンスについて考えたり、
それで世界を飛び回ったりする人たちがいて、
僕はそこまで好きになれないなとなってしまうんです。
その人たちに比べると”好きの度合い”が明らかに違いすぎるのです。
「好き」に関して人と比べることではないというのは頭では分かります。
でもどうしても比較してしまう自分がいるのです。
この「好き」の度合いに対してのコンプレックスを自覚したのは、
実は最近で、きっかけは就活での面接でした。
「この仕事に対して本当に興味あるの?」
「この業界のことほんとに好きなの?」
自分では嘘偽りのない正真正銘、純度100%の「好き」でした。
でもこれらの言葉を滝行の如く打ち付けられていると
自分の「好き」という感覚がだんだんわからなくなっていきました。
昔からいろんなことに興味を持つ人間でした。
好きで楽しくて熱狂していたと思います。
子ども頃は声優になりたくて、なんならなれると思ってた時期がありました。
純粋に声優のことが好きで「こんな声優になる!」「この声優と共演する!」と常に頭の中で妄想してた頃を思い出します。
でも実際に養成所に通うとそこには、自分より声優という職業に憧れを持ち、「声優になりたい!」という強い信念を持った人たちがたくさんいて、
そういう人たちの中にいると、「自分はそこまでなりたいのか?」と思ってしまう。
ダンスに関してもそうです。
昔はダンサーになる夢を持って踊りまくっていました。
でも自分よりダンスに関して情熱を持っていたり、常に踊り狂った人を見ると「僕はそこまで好きになれない」と思ってしまう。
ある程度まで経験したところで、他の人の熱量を目の当たりにすると
急に熱が冷めてしまうことがあり、突き抜けることができません。
一般の人からすると、”ちょっとした才能のある人”なのですが、
その世界に行くと大してすごくないという経験を幾度となくしてきました。
改めて当時のことを振り返ると、こうやって「好き」のバロメーターが下がっていったんだと思います。
声優やダンサーに関して本気で好きでしたし、なりたいと思ってました。
夢に対して真摯に向き合って、自分なり叶えようと頑張っていました。
でも自分よりも「好き」の度合いが高い人に出会うと、自分はそこまで好きじゃないかもと思ってしまうんです。
感覚的には自分の「好き」に対して制限をかけてしまう感じです。
就活の面接を受けるまでは、特に気にしたことなかったんですが
こうやって他人に「好き」の度合いを測られ続けると、
次第に「自分の好き」は「本当の好き」ではないのか?という考えがフツフツと湧いてきました。
「好きなこと」を仕事にするには、人よりも好きにならないとダメなんですかね?
「好き」を仕事にするための「好き」の度合いの最低ラインはどれくらいなんですか?
てか、そもそも「好きなこと」を仕事にしなくてもいいですよね?
もう分かりません。
⚫️最後に⚫️
改めまして、ウジョーズです🦈
今回は少し、ネガティブな記事になってしまいましたが、
単純に疑問だった「好き」という感覚の度合いについて
書きました。
僕自身、読書好きです。ダンスもマジックも好きです。
ビートボックスもボウリングも好きです。
クイズも世界遺産も好きです。
でも自分と同じものを好きな人の熱量を目の当たりにすると
いつもこの”好きコンプレックス”が発動してしまうんです。
特にダンスなんかのイベントに行くと
四六時中ダンスのことばかり考えている人たちや狂ったようにずっと踊っている人たちに出会います。
すごく羨ましいと思うと同時に、コンプレックスを抱いてしまいます。
僕はそこまで好きになれないかもって。
今の時代、好きなことを仕事にしていく人たちをたくさん見かけるのですが、そういう人たちは、どれくらいそのことが好きなんですかね?
巷でよく聞く「好きなことを仕事に」という言葉は
”あかぎれ”みたいに僕の心を傷つけることがあるんです。
何ごとにも興味を持って好きになるんですが、いつこの「好きコンプレックス」が発動するか不安で仕方がありません。
今の時代、平均的な人間より何か突出したものを持っている人間が
生き抜くことができるみたいな風潮になりつつあり、
自分にとっては逆風だなって思ってしまうんです。
共感してくれる方どこかにいませんか?笑
もしそういう方がいらっしゃったらどういう風に対策しているのか聞いてみたいです。