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【読書記録】『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』〜
こんにちは!ウジョーズです🦈
今日も読書記録やっていきたいと思います!
さて、今回題材となる本は、
エミリー・ワプニック 著 長澤あかね 訳
『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』です!
・やりたいことがたくさんありすぎて一つに絞れない方
・「器用貧乏」に悩んでいる方
・天職が見つからない、何になりたいのかわからないと悩んでいる方
・広く浅く持っている知識を活かしたい方
におすすめの一冊となっています。
僕自身、好きなことややりたいことはたくさんあるものの
「器用貧乏」で一つのことで突き抜けることができずに悩んでました。
就活でも「本当にこの仕事がやりたいの?」と何度も言われたことがありました。
世間は一つの経験やスキルに特化した人(職人気質な人)を評価する中、
幅広く色々なことを経験した人を「なんだか信用できない」と
みなしてしまう傾向があります。
たくさんやりたいことがあるのに、いろんな経験してきたのに
それを活かすことができない、仕事にすることができない。
もしこういったことで悩んでいるのであれば、あなたはたくさんの可能性を秘めた「マルチ・ポテンシャライト」かもしれません。
この記事を読んでマルチ・ポテンシャライトについて知ってもらい、
そしてもし、自分がマルチ・ポテンシャライトだと感じたら、
ここに書かれていることを参考にしてもらえたら幸いです。
⚫️マルチ・ポテンシャライトとは?⚫️
まず本書の題名にもなっている「マルチ・ポテンシャライト」について
説明していきます。
そもそも「マルチ・ポテンシャライト」というのは
3つの単語が重なってできた造語です。
マルチ(多くの)、ポテンシャル(潜在能力を持つ)、アイト(人)、
つまりマルチ・ポテンシャライトとは、
多くの潜在能力を持っている人という意味です。
さらに深く言うと、
さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探求する人
のことを指します。
マルチ・ポテンシャライトが抱く興味の芽は、
一瞬で色褪せることもあれば、
いつまでも魅力を放っているものもあります。
そして何年か経ってまた興味が蘇るものもあります。
さらにその興味の芽は同時多発的に芽吹くかもしれないし、
一定期間没頭した後、別の分野で興味の芽が出るかもしれない
などそのタイプも様々です。
でもどのタイプが良くて、どのタイプが悪いとかは全くありません。
全てのタイプは平等で素晴らしいのです。
⚫️マルチ・ポテンシャライトが生きづらい理由⚫️
マルチ・ポテンシャライトは様々なことに興味を持ち、
様々な分野を行ったり来たりする人であり、
幅広い知識や経験をたくさん持っているポテンシャルを秘めた人間です。
でもこのポテンシャルを活かせないマルチ・ポテンシャライトが
この世にはたくさんいます。
その理由はなんでしょうか?
答えは簡単です。
そもそも今の世の中がまだマルチ・ポテンシャライトについて
理解が追いついていないからです。
私たちが興味を持つどんな分野も、一つの方向を指し示し、その分野の仕事につながっていると私たちは教わっている。
マルチ・ポテンシャライトはよく言えば、
幅広く様々な経験や知識を持っていて応用力がある人ですが、
悪くいえば、落ち着きがなく、
一つのことに打ち込むことができない人です。
そして世間から見ればこの「一つのことに打ち込めない」というのは
致命的な欠陥を抱えた”怠け者”だとみなされる傾向にあります。
しかもそれは日本だけではありません。
世界にも「多芸は無芸」や「器用貧乏」にあたる言葉があるくらいに
世の中はまだマルチ・ポテンシャライトについて
理解が追いついていません。
建築学部の学生は建築家になり、
音楽専攻の学生は音楽家や音楽の先生になるはず
など”興味のある分野のレールの先にある関連した仕事に就く”という
期待が当たり前のように存在しています。
子どもの頃に誰もが聞かれたことがあるであろう
「大人になったら何になりたい?」という質問。
大人になるにつれて、この質問は”夢を膨らませる楽しいゲーム”から、
”きちんと結果につながる、責任を持って取り組めるものはあるのか”
という圧力に変わっていきます。
やりたいものを一つに絞ることが難しいマルチ・ポテンシャライトにとってこの質問はなかなかストレスです。
マルチ・ポテンシャライトは、確かに興味のある分野に真っ直ぐ進みは
するんですが、途中で右にも左にも進むことがあります。
著者自身もミュージシャン、ウェブデザイナー、映画制作、法律家という
様々な分野を行き来しています。
そして僕自身もマジシャン、声優、ダンサー、世界遺産という
興味の変遷履歴を持っています。(他にもあります 笑)
でもマルチ・ポテンシャライトはこれでいいんです。
一貫性のない自分の履歴書を見ても、落ち込むことはありません。
紙の上ではデタラメに見えても、マルチ・ポテンシャライトにとっては
堅実な道を歩んでいます。
⚫️マルチ・ポテンシャライトであること⚫️
マルチ・ポテンシャライトであることは素晴らしいし、多くのことに情熱を注げることもカッコいい!ただし、このユニークな気質に恵まれたばかりに、課題を背負ってもいる。マルチ・ポテンシャライトは「仕事」「生産性」「自尊心」という大事な3つの分野で、苦労することが多いのだ。
スペシャリストは必要です。そしてマルチ・ポテンシャライトも必要です。
単純に、必要とされる状況が違うというだけなのです。
問題はその”必要とされる状況”を見つける、作ることができるのか。
まずはそのヒントになるマルチ・ポテンシャライトが持つ
5つのパワーについて話をしていきます。
『マルチ・ポテンシャライトが持っている5つパワー』
1、アイデアを統合できる
物事を統合することに長けているマルチ・ポテンシャライトは、
複数のコンセプトを組み合わせ、それが交わる場所で新しいものを生み出すことが得意です。
2、学習速度が速い
初心者になることを心得ていること、熱心に取り組めること、
様々な経験をしているマルチ・ポテンシャライトは一瞬で概念を理解し、
あっという間にスキルなどを習得することができます。
3、適応能力が高い
様々な状況や役割を楽しめ、器用に活動を行き来することができる
マルチ・ポテンシャライトは組織などにおいて、
代わりのきかない潤滑油のような存在になることができます。
4、大局的な視点を持っている
一つ一つのアイデアをさらに膨らますことができます。
何よりもそういった物事を改善する方法や奇抜なアイデアを思い描くことが好きだということがマルチ・ポテンシャライトの強みなのです。
5、さまざまな分野をつなぐ「通訳」になれる
アイデアとアイデア、人と人などの繋がりをサポートすることが好きな
マルチ・ポテンシャライトは天性の繋ぎ手です。
多彩な経験を持っていることで、スペシャリストが持つ「言語」での会話が可能。毛色の違う人種の間に入って通訳をすることができます。
以上がマルチ・ポテンシャライトが持つ5つのパワーです。
どうでしょう、当てはまるものはありましたでしょうか?
これらのパワーを活かせる場所が、マルチ・ポテンシャライトであるあなたが本来いるべき場所なのです。
ちなみに本書には、付録としてマルチ・ポテンシャライトが力を発揮できそうな様々な”分野にまたがる分野”の例がいくつか紹介されています。
⚫️マルチ・ポテンシャライトの苦悩⚫️
ただ、そんなパワーを持つマルチ・ポテンシャライトですが、
苦労することもたくさんあります。
それは、最初にも述べたように、世の中がマルチ・ポテンシャライトについての理解が追いついていないからです。
そして特に「仕事」「生産性」「自尊心」の分野で苦しむことが多いだろうと
本書には書かれています。
「仕事」や「生産性」に関して言えば、
膨大な時間、汗、涙、お金を投じてきた、かつて大好きだったことに情熱を注げなくなった時、大きな不安を感じることがあるかもしれません。
それに対して興味が失ったとき、「僕は何を目指していたんだ?」と自分を責めてしまうことがマルチ・ポテンシャライトにはあります。
そんな時は、まず「自分はマルチ・ポテンシャライトだ」ということをもう一度思い出しましょう。
もし興味を失ったものが仕事だったとしても、大丈夫です。
仕事はあなたそのものではありません。あくまでも表現手段です。
何かを手放せば、次にさらなるワクワクがやってきます。
そしてそこでまた新しいスキルを獲得して、さらなる探求へと進むことできるのが、マルチ・ポテンシャライトです。
自分の変わりやすい性質を受け入れたなら、転職はアイデンティティを台無しにする恥ずかしい出来事から、わくわくをくれる必要な出来事に変わる。
そして「自尊心」。
これは全マルチ・ポテンシャライトが通る道であろう、
”一流になれない”という悩みや、”器用貧乏”である苦しみのことを指します。
これには僕もすごく共感します。
「その分野で何十年も働いてきたスペシャリストにはかなわない」という
思いが常に頭の中に存在するのです。
ただよく考えてみればわかることですが、たとえ一つの分野に人生を捧げても自分より上の人は次々と出てくることが世の常であり、
ましてや、いろんなことに興味を持つマルチ・ポテンシャライトが
一つのことに専念できるスペシャリストと張りあう必要は特にありません。
「一流になることより、現場で役に立つこと」に
意識持っていくことの方が健全です。
そもそも一流ではないからといって二流とは限りません。
自分の仕事でベストを尽くし、自分の大事な相手を心から満足させることができれば、それはとても素晴らしいことです。
さらにマルチ・ポテンシャライトは様々な経歴で培った技術や経験を合わせて、いろんな角度からユニークな価値を提供できることができます。
そうすれば相手の期待値を遥かに超える素晴らしい成果を上げることができるかもしれません。
こういった応用力や視点の幅広さはスペシャリストよりも
僕たちマルチ・ポテンシャライトの方が得意なので、
この強みをぜひ活かしていきましょう。
⚫️マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きるコツ⚫️
これまでマルチ・ポテンシャライトの能力や苦悩について書いてきました。
そしてここでは最後に、僕たちマルチ・ポテンシャライトが幸せに生きていくためのコツについて書いていきます。
マルチ・ポテンシャライトにとって生きにくい世の中で、
幸せに生きるためのコツ、それは
”「お金」「意義」「多様性」という3つの要素を満たす人生を設計する”
です。
もう少し詳しく見ていきましょう。
〜お金〜
当たり前ですがお金はマルチ・ポテンシャライトが情熱を追求するのを
支えてくれるものです。
だからといって闇雲に求めるべきではありません。
幸せに生きるマルチ・ポテンシャライトは、
「いくら必要なのか」「なぜこの額が必要なのか」というのを
はっきりさせています。
大事なのは、自分の目標収入に加えて、「自分が何を大切にしているのか」
それに見合ったお金を追求していくことです。
〜意義〜
マルチ・ポテンシャライトは、多くの収入を得るだけでは満たされないことが多く、「大事なことに携わっている」と感じる必要があるというのです。
「有意義なことをしている」という実感があれば気持ちが高まり、
より集中することができます。
ではどうやって「有意義なことをしている」と知ることができるのでしょうか?
それは簡単で、自分に「なぜ?」と尋ねることです。
自分がしていること、大切にしていることに「なぜ?」と質問することにより、自分の原動力を知ることができます。
自分の原動力を知ることができれば、意欲が湧き、次の行動に繋がるので
結果がついてきやすくなるというのです。
自分が夢中になるすべてのことが収入を生み、とても有意義だと思えたら、もちろん最高だろう。意義ともうけがなるべく重なり合うのを目指したいところだが、マルチ・ポテンシャライトは好きなものを山ほど抱え、日々変化し続ける生き物だ。楽しみのためだけに(あるいは、お金のためだけに)何かに取り組んでも、何も恥ずかしいことはない。
収入を生まない活動をおとしめるのは簡単だけど、もうけと価値を混同しないように気をつけよう。たとえ仕事につながらなくても、私生活を豊かにしてくれる活動もある。成長のチャンスをくれたり、恩返しができたり、心身の健康を改善できたり、家族と充実した時間を過ごせたり、ほかにも、数値化はできないけれど大きなメリットをくれるかもしれない。
〜多様性〜
いくつもの”興味”からアイデンティティが形成されている
マルチ・ポテンシャライトにとって、何か一つに絞って
それを永遠にやり続けることは、たとえ好きなことでも
不満が募ってきます。
「自分が同時に持てる興味の個数」であったり、
「一定期間情熱を注いだ後、別のものに情熱を注ぐ」タイプなのか
それとも「同時に複数のことに情熱を注げる」タイプなのかなど
自分の”興味の持ち方”(本書では多様性と表現されている)を
知り、この興味の移り変わりに対応できる環境に身を置くことが
マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きていく方法だと本書では書かれています。
問題はこの”興味の持ち方”を知るための方法ですが、
これは正直、力技で実験を繰り返して試すしかありません。
自分の気持ちに目を向けて、興味のあることを同時にやったり、
一つのことに集中したりと試行錯誤して地道に探していきましょう。
さらに本書には他にもマルチ・ポテンシャライトが生き生きと
働くためのワークモデルが4つ紹介されています。
今の自分の状況に合わせてどの働き方が合うのかなど
詳しく書かれています。
働き方に悩んでいるマルチ・ポテンシャライトの方は特に
必見の内容となっていますので、ぜひ本書を手に取ってみてください!
⚫️最後に⚫️
以前に「好きコンプレックス」について記事を投稿しましたが、
興味が移り変わって技術を極めきることができない悩みを持っている方が
僕以外にもたくさんいるんだということ本書読んで知ることができました。
正直、安心しました。
そしてその解決法が書いてあった本書は、
僕にとってバイブルになる本だなと感じました。
好きコンプレックスの記事↓
マルチ・ポテンシャライトの中には世界を変えた人たちがたくさんいます。
哲学と医学に精通したアリストテレス、政治家ベンジャミン・フランクリンは避雷針や遠近両用メガネの発明をしました。
そして、レオナルド・ダ・ヴィンチは芸術家でありながら数学者でした(他にもたくさんの職歴を持つ)。
僕たちは幅広い知識やスキルを持っている分、全く関係のない分野同士を掛け合わせるスペシャリストになることができます。
この記事を読んで、
心にある興味のコンパスを信じ、たくさんの経験とスキル、知識を蓄えて
自分のポテンシャルを最大限に発揮できるマルチ・ポテンシャライトが増えてくれることを願いながらこの読書記録を終わりたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
曲くねった道の先に、待っているいくつもの小さな光
まだ遠くて見えなくても、一歩ずつただそれだけを信じてゆこう