
スポーツと競馬「スポーツと競馬の共通点」
プロ野球ではセ・リーグ、パ・リーグ共に、今年就任した監督が率いるチームが優勝した。
Jリーグでは、今年初めてJ1に昇格した町田ゼルビアが、開幕からトップを走り続けて驚かせたが、その快進撃は黒田監督が就任してからのことである。
ほとんどが成人の選手たちで構成されるプロのチームでさえも、ひとりのおっさん(監督)次第で強くなったり弱くなったりする、ということがよく現れたシーズンだったと言えるのではないだろうか。
私がなぜ競馬が好きなのか。
それは競馬における馬と調教師の関係が、スポーツにおける選手とコーチの関係の最もシンプルで究極の形のように感じるからである。
まずは才能の見極め。
どれほどの才能があるのか。どんな特性があって、良さを活かすためにどんな強化をしていけばいいのかを見極めなくてはならない。
基礎の構築。
才能を伸ばすための土台となる基礎体力や技術をしっかり身に着けさせる。地味できつい訓練の繰り返しなので、嫌にならずに続けられるような動機づけや、無理なく伸びていけるような練習内容の選択、組み立てが重要。
強化練習。
目標に向けて練習の計画を組み立て、効果を評価しながら臨機応変に対応して練習させなくてはならない。やる気を削がずに、本番に向けてピークを合わせられるようによく観察し、評価し、調整する必要がある。
まあ、こんなところがスポーツのコーチと馬の調教師に共通する基本的な職務で、プロチームや厩舎ではそれらを細かく役割分担していて、監督や調教師が統括している。
競馬が人間のスポーツと最も違う点は、相手が物を言わず言葉を解さない馬だということである。
人間だったら言葉でやる気を起こさせることもできるだろうし、フィードバックも与えることができる。調子がいいとか悪いとかも本人が喋れるし、練習についてディスカッションもできる。
馬はそれらが一切できないのだ。
それでも厩舎の人たちは馬の気持ちを察し、面倒を見たり調教を調整したりしながら勝てる馬を育て、ベストコンディションでレースに送り出す。そのとっても繊細な透察力と判断力は、時には”博打”的な面もあるかもしれないが、スポーツの指導者として見習いたい技能だと思う。
そのような技能で優れた厩舎は、たくさんの優秀な馬を預かり、育てている。せっかくの才能を活かしたいと思えば、優秀な厩舎に預けたいと思うのは当然のことだ。
優秀な才能を得たいと思ったら、まずは優秀な指導者にならなければならないということだ。肝に銘じよう。
そんなわけで、スポーツの指導を仕事にしている私としては、競馬はレースだけでなく、調教師や厩舎の仕事にも興味があるのである。
日曜日は秋華賞
牝馬も3歳秋となれば、だいぶ落ち着いてくるようだが、やはり牡馬に比べると体調管理や気持ちの持っていき方も難しいらしい。
そんな牝馬の管理が得意な調教師もいるから、競馬というのは奥が深い。
アカイトリノムスメ、アーモンドアイ、アパパネなどを管理した国枝厩舎
14番 ステレンボッシュ
デビューからきれいに1-2着を繰り返し、桜花賞1着、オークス2着。順番で行けば今回は勝つ番だ。コースも距離も問わず、騎手も問わないという条件がつかない馬。こういう馬は強い。国枝師の引退の花道を飾って欲しい。
昨年末、牝馬のレガレイラでホープフルSを勝った木村厩舎。
5番 チェルビニア
桜花賞は惨敗だったが、オークスで巻き返して優勝。今回も同じルメール騎手というのは心強い。ただ、休養明けの桜花賞で負けてるだけに、5ヶ月休養明けの今回もちょっと心配。
ナミュール、スタニングローズ、レイパパレ、ショウナンパンドラなど、数々の名牝を管理した高野厩舎
7番 チルカーノ
チェルビニアとよく似た血統。京都で3戦1勝している点は心強い。
リバティアイランド、ダノンファンタジーを管理した中内田厩舎
3番 クイーンズウォーク
前走ローズSに勝って参戦。ずっと川田騎手が乗っているが、春のクラッシックはちょっと届かなかった。牝馬としては最大級に大きな馬なので、暑い時期のほうがいいのかも。涼しくなったこの季節はどうなのか。
騎手時代にウォッカの主戦だった四位調教師が開業した厩舎
15番 セキトバイースト
前走ローズS3着で出走権を得ての参戦。勝ちきれないレースが多いが、夏を越えて体が大きくなって、一皮むけたかもしれない。
どちらかと言うと牡馬が得意でも、ユーバーレーベン、アユサンを出した手塚厩舎
10番 ボンドガール
前走紫苑S3着からの参戦。勝ちきれないというより、追い込みが届かなかったという近走。その走り方が京都でどうなのか、武豊騎手の手腕にかかっている。
ソングラインを管理した林厩舎
2番 ミアネーロ
前走紫苑S2着からの参戦。オークスでは惨敗だったが、明らかに距離が長すぎたようで、2000mまでなら、そして京都ならこの馬に向いているのではないだろうか。
まだ目立った実績のない加藤士津八厩舎
13番 クリスマスパレード
前走は紫苑Sで見事な好位抜け出しを決めて追い込み勢を退け、父キタサンブラックを彷彿とさせる勝負根性を見せた。しかもレースレコード。春から夏にかけて迷走していたが、秋になって本格化したということなのか?
大外からセキトバイーストが鼻を切り、その後をクリスマスパレード、チルカーノが追う。3コーナーからの下りでチェルビニア、ミアネーロが進出開始。4コーナーを回ってステレンボッシュ、クイーンズウォーク、ボンドガールが追い込み開始。しかし、経済コースで先頭に立ったクリスマスパレードの脚色は衰えず、チルカーノはそのスリップストリームに入って着いていき、猛然と追い込んできたステレンボッシュと並んでゴール。
というレース展開を予想。
今週の一点勝負は
7-13-14 3連複
7が入るとオッズは期待できそう
2024秋のG1シリーズ一点勝負の予想結果
シーズンごとにG1レースのみ、すべて一点勝負で収支トントンを目指しています。
先週までの予想結果
-100円 (1点100円の馬券を買ったとしての計算です)
それにしても藤田菜七子騎手の引退は残念でならない。
もちろん公営ギャンブルとして、関係者がルールを厳守することは存続に関わる重要なことだ。しかし、週刊文春ごときに数年前に決着が着いていたことをあげつらわれて、あわてて処分をするJRAの威厳のなさも問題ではないだろうか。下衆に脅されてオタオタするようじゃ、次々にくだらないネタで脅そうとする輩が出てきやしないかと心配だ。