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スポーツと競馬「北口榛花選手の金言と 菊花賞」

「みなさんも夢を持っていると思います。私はこの高校で初めてやり投を見て、初めて触れて、今、オリンピックの金メダリストになりました。夢は途中で変わっても焦る必要は全然ありません。本当に自分がやりたいことをするのが人生を楽しく過ごせる一番の秘訣。たまにはゆっくり休んで、心も身体も健康にいることが、夢を叶えるために大事だと思います。夢に向かって頑張ってください」

北口榛花選手 母校の旭川東高校での公演より

スポーツ選手が子どもたちに対して「諦めなければ夢は叶う」などと言うのを聞くことは多い。
私は天邪鬼なので、即座に「そんな訳あるかいっ」とツッコミを入れる。「誰でも諦めなければ夢が叶うなら、金メダリストが一人きりなのはどういうことやねん? たった一人の夢しか叶わなかったということちゃうんかい」と。

その点、北口選手の言葉は示唆に富んでいる。

とかく人は、目標に向かってストイックに取り組むことが良い、夢を諦めないことが偉い、みたいな価値観を根強く持っている。
もちろん、それは悪いことではない。
ただし、それによって近視眼的になってしまったり、どんな時でも休んだり、後戻りしたり、方向を変えることを拒んだりするとなると、百害あって一利なしである。
頑張る力や根気が重要なのと同様、柔軟で自由な思考や楽観的な物の考え方も重要だと、北口選手の言葉から読み取れる。

多くのスポーツ選手は、子供の頃からそのスポーツ一筋という人が多いと思う。
しかし、もし違うスポーツをやっていたらもっと活躍できたと思われる例も少なからずある。特にオープンスキルが重要なスポーツではより多いだろう。スポーツに限らず、学術、芸術など全く他の分野だって可能性は否定できない。
途中で夢や目標をそっくり変えるというのは勇気のいることだし、前述した価値観があるゆえに方向転換を良しとしない思いもある。親の期待や指導者とのつながりが断てないなんて言うこともあるかもしれない。路線変更するときに、今までやってきたことが無駄になる、「もったいない」とためらうのもよく分かる。
しかし、北口選手の来し方を見れば、子供の頃から年代ごとに色々な種目に打ち込んだことが、決して無駄にはなっていないどころか、ステップアップしていることが分かる。

小さな壁でいちいちよそ見をしていたり、「隣の芝は青い」誘惑に負けてしまってフラフラしてばかりではちょっと考えものだが、大きな壁にぶち当たった時に、あるいは何かパチっとスパークするものに出会ったときに、一歩下がって、視野を広くして、健康な心と体の状態でよく考えてみてもいいんじゃないか? 公平公正な立場で物を言ってくれる人に話をするのもいいだろう。
若い人たちが、親や指導者ではなく、自分のやりたいことが見つかるよう願ってやまない。

日曜日は菊花賞

競馬の馬は種目選択と言っても、あまり選択肢は多くない。芝かダートか、距離の長短、障害レース、引退して馬術。
かといって、馬が「あれやりたい、これやりたい」と夢を語ったりはしないので、人が判断しなきゃいけないわけだが、難しい判断だろう。
それだけに、ピタリとハマったときは、さぞや嬉しいに違いない。

3000m長丁場のこのレース。
過去の優勝馬には生粋のステイヤーもいれば、チャンピオン・ディスタンスが最適な馬もいる。
とはいえ、生粋のステイヤーかどうかは後から分かることで、3歳のこの時期はまだ評価が定まっていない。だから困っちゃう。

今年のダービー馬
4番 ダノンデサイル
父は菊花賞を制したエピファネイア。ダービーでは強い勝ち方を見せたが、ダービーから直行した馬はあまり成績が良くない。ただし、皐月賞をすっ飛ばしてダービーを制したこの馬には、そんなデータは関係ないのかもしれない。あとは56歳の横山おやじ騎手の体力の心配だけ。

神戸新聞杯1着
10番 メイショウタバル
父は菊花賞や天皇賞(春)を制したゴールドシップ。毎日杯を勝った後、皐月賞で最下位。ダービーで出走取消。その前にも除外があり、これまで順調とは言えないが、前走ではステイヤーらしい逃げ切りを決めた。浜中騎手に久々に訪れたチャンス。上手に逃げてほしい。

セントライト記念1着
13番 アーバンシック
父はジャパンカップを制したスワーヴリチャード。1月までは順調だったが、皐月賞4着、ダービー11着と落ちていった。しかし、夏に立て直して前走ではルメール騎手に乗り代わって見事な差し切り。ルメさん効果もあって1番人気だ。

本命筋はいずれも春に順調とは言えなかった馬ばかり。もうちょっと信頼の置ける馬はいないのか? っていうか、上の3頭に割って入る馬はいないのか?

セントライト記念3着
15番 エコロヴァルツ

父はキタサンブラックの父でもあるブラックタイド。先行したり後方につけたり、戦法が一定しないのか、スタートが安定しないのか。できれば好位抜け出しを狙いたいだろうが、強い馬が迫ってきた時に強くいられるかどうか、岩田おやじ騎手の激励が届くかどうかが肝心。

14番 メリオーレム
父はジャパンカップを制し、長距離重賞を数々制したシュヴァルグラン。2走前2600mで勝利。神戸新聞杯ではジワジワのまま5着。しかしその脚は京都では生きるのかも。川田騎手がいい位置を取って、早めに前の馬を1頭1頭かわしていって競り勝つ競馬をすれば勝ちも見えてくる。

16番 へデントール
父は香港のQEIICを制したルーラーシップ。母父がステイゴールドで、2走前に2400mで勝っているので、距離は大丈夫そう。長くいい脚を使える点は京都向き。3コーナーからのまくりで他馬を封じ込めて、あとは先頭のメイショウタバルを追うだけという競馬を戸崎騎手が見せてくれるだろう。

さて、今週の一点勝負は…
先日、西田敏行氏が亡くなり、西田氏が「翔ぶが如く」で演じた西郷隆盛が政府軍と激戦した田原坂にちなみ、西田氏を追悼する意味も込めてメイショウタバルを本命に。
メイショウタバルとアーバンシックは、前哨戦でともに2番人気。陣営は菊花賞までを見据えていたと思われ、本番も万全で迎えているだろう。
そこに夏の上がり馬っぽいヘデントールを組み合わせて
101316 3連複
オッズはいいんじゃないかなぁ。

2024秋のG1シリーズ一点勝負の予想結果
シーズンごとにG1レースのみ、すべて一点勝負で収支トントンを目指しています。
先週までの予想結果
-200円 (1点100円の馬券を買ったとしての計算です)


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