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映画『変な家』感想

ヘッダ画像は感想戦会場のサイゼリヤ。

雨穴氏原作の『変な家』の映画を観てきた。自分がオモコロファンで、先週の「ニュース!オモコロウォッチ」という毎週日曜更新のWEBラジオで次回はこの映画の話をすると予告があったので、鑑賞することでそれを聴く権利と作品について批評する権利を手に入れたかったのである。

※核心は避けつつもネタバレはするので、鑑賞する人は鑑賞した後に読んで欲しい。

約2時間ある映画で、それなりに場面が転換する作品なのでまとまった感想を書くのが難しい。とりあえず見どころや気になったところなどダダダっと列挙して、それぞれについて言及していくと言う形をとりたい。

【見どころ・気になったところ】
1.髙嶋政伸の怪演
2.チェーンソーを持ったババア
3.川栄李奈かわええ
4.どのスクリーンでも佐藤二朗の佐藤二朗
5.建蔽率とか容積率とか直下率とか耐力壁とか防火法とか
6.原作ってどんな感じなの?

1.髙嶋政伸の怪演
髙嶋政伸が演じるのは、つまるところ「怪しい男」である。簾のような前髪からギロリと睨みを聞かせているような、じっとりとした怪しさがある。正直、エンドクレジットを見てパンフレットを読むまで髙嶋政伸と認識できなかった。(群馬育ちなので髙嶋政伸をヤマダ電機のお兄さんと認識している。)刑事ドラマなんかで犯人役を演じることはあるけれども、どちらかと言うと髙嶋氏の「爽やかだけどどこか胡散臭い」という雰囲気に肖ったものになっている印象がある。この作品では爽やかさを一切捨てた、もの凄く湿度の高い怪演が見られる。それだけでもこの作品を観て良かったといえる。

2.チェーンソーを持ったババア
突然チェーンソーを持ったババアが出てきたら面白いに決まっているだろう。
これ、正直一番面白いポイントだったのでTwitterでは言及したくない。予備情報があったらフルに楽しめないと思うから。

3.川栄李奈かわええ
本作品のヒロイン枠は川栄李奈が演じる柚希。幽霊のように真っ白な顔で登場する。ほぼすっぴんらしいのだけど、それであんな可愛いのはずるい。私も可愛くなりたい。

4.どのスクリーンでも佐藤二朗の佐藤二朗
正直なところ、佐藤二朗の演技が苦手な自分がいる。というのも、やはりクドカン作品や勇者ヨシヒコの印象が強く、佐藤二朗はどの作品でも佐藤二朗なのだ。極め付けは数年前に見た「オタクに恋は難しい」の実写映画で、長い尺を使って無用なシーンを演じていたのが記憶にこびりついているのでうっすらヘイトすらある。あれは監督の演出意図によるもので本人に罪はないのだけれど…
今回の作品で栗原を演じる佐藤二朗は佐藤二朗なのであるが、比較的佐藤二朗みが薄められていて、「文系の人って理系の大学院生をこんな感じだと思っているんだろうな」というステロタイプな役柄に収まっている。ちょっと佐藤二朗ははみ出しているが。

5.建蔽率とか容積率とか直下率とか耐力壁とか防火法とか
これは原作の時点で言えるのだけど、あの間取りの意図は作品で説明がされるのだが、じゃあ建築としての合理性はどうなのか、というのが気になった。栗原の本業は建築設計なので、法規の面で何らかの指摘をしてくれた方がリアリティがグッと上がるんじゃないかと思う。なにか説明はれたことについて、理由や裏付けがないと「ほんまか?」が頭に蓄積されてストーリーに集中できない性質があるので、どうしてもこういうリアリティラインのようなものは気になってしまう。いきなりDMしてきた謎の女性を、最初から自宅に呼ぶ?喫茶店とかにしない?とか、住所特定されていて襲撃もされているのに避難しないの?とか、レンタカーはそのまま?…とか。うるせえフィクションならその辺割り切れクソ野郎と言われたら、まあそれはそうだなとも思う。

6.原作ってどんな感じなの?
本作の主人公雨宮は「雨男」としてホラー系の配信をする活動者である。なんというか、序盤のストーリーはなんだかそれ系の配信者への冷笑を感じるものになっている。半笑いで活動者に「バズり」を催促するYouTuber事務所の人間とか、配信者のキャラクターの薄っぺらさとか…
もし雨穴氏が出している動画や記事を原作とした映画なのであれば、ものすごく雨穴氏をバカにしてないか?と疑ってしまう。映画の原作が小説版で、その小説で主人公の活動者をそのように雨穴氏が描いたのであれば問題はないと思う。これは読んでみないことには断定できない。

つらつらと書いてみたけど、だいたいこんな感じ。
ホラー映画を劇場で見たのは初めてだったけど、なんとから漏らさずに最後まで鑑賞できた。パンフレットを読むなどして日曜日に備えようと思う。よい水曜日だった。

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