【繊細で敏感なHSPが転職を繰り返す理由と不安を取り除く方法】
HSPが転職を繰り返す理由
HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略。敏感で繊細な気質は病気ではなく、生まれもった気質で約5人に1人が当てはまるといわれています。
HSPには
思慮深く、深く考えてから行動する
刺激に敏感で疲れやすい
人の気持ちに振り回されやすく共感力が高い
鋭い感覚をもち繊細なことにも気づく
という4つの特徴があります。
HSPの特徴を踏まえた上で、HSPが転職を繰り返す主な理由について次の3つが考えられます。
人の目・周囲の反応が気になる
人づきあいが苦手
苦手な環境へのストレス
詳しくみていきましょう。
1.人の目・周囲の反応が気になる
HSPは視界から入るもの、五感で感じるものなど外部からの刺激にとても敏感です。特に相手の感情や周りの人の雰囲気に無意識のうちに振り回されてしまうのです。
そのため、徐々に人間関係に疲れてしまい、同じ職場に居続けることが難しいと感じるように。
周囲との調和、共感は社会で働く上である程度必要ですが、過剰に反応すると仕事において支障がでることも。
2.人づきあいが苦手
刺激に敏感なことによる特徴はいろいろありますが、人づきあいでは下記の傾向があります。
人が大勢集まる場所は苦手
感受性が高く、相手の嘘やお世辞が見抜ける
浅く広い人間関係は得意とせず、少人数の対話を得意とする
相手に言われた些細なひとことが、いつまでも気になる
共感性が高く、相手と自分の境界線があいまいになりがち
相手の感情に対して特に敏感です。例えば、同僚が上司に怒られている場面に遭遇すると自分が怒られているような気持ちになり、その場にいるのが辛くなるのです。
相手の些細な言動から気持ちをくみとることにも長けているため、情報を読みとりすぎて「こうしたほうがいいはず」「あれもしておかないと」と必要以上に先回りし、疲れてしまうことも。
また、大勢で集まる場所が苦手なので会社の飲み会などのイベントが苦痛で、ストレスを抱えることもあります。
3.苦手な環境へのストレス
人によって、光や騒音匂いなど違いはありますが、総じて五感が鋭いことが原因で環境へのストレスを抱えがち。
職場で、大声で怒鳴る人がいたり、大きな音でドアを閉めたり、臭いのキツイ人が側にいたり。敏感に反応してしまうHSPにとって辛い環境だと、仕事の内容以前に居づらさを感じてしまうのです。
HSPがムリなく仕事を続けるコツ
HSPの気質を理解した上で、ムリなく仕事を続けるにはどのような対策を講じればいいのでしょうか。
ここでは、HSPがムリなく仕事を続けられるコツを5つご紹介します。
1.自分を責めすぎない
HSPは人一倍物事を深く考える気質を持っています。そして、責任感も強く、問題が生じたときに自分の責任ではないことも「自分のせいかもしれない」と責める傾向に。
しかし、仕事においてはそれぞれに少なからず責任があるもの。あなた1人のせいではないのです。
「人は人」「自分は自分」とある程度割り切って、自分を責めすぎないことが大切です。
2.苦手な人とは距離を置く
仕事で関わらなければならないとはいえ、どうしても合わない、苦手だなと感じる人もいますよね。
真面目なHSPは「苦手だからって避けてはいけない」と思い、頑張って相手とコンタクトを取ろうとしがち。
しかし、無理をする必要はありません。仕事で関わらなければならない必要最低限のコミュニケーションで十分です。苦手な人に気を遣って、心身を擦り減らす必要はないのです。
少し物理的にも距離を置くなどして対策していきましょう。
3.1人で抱え込まない
自分がHSPであることを他の人に伝えていない人も多いと思います。そのため、問題が生じた時、困ったことがある時でも自分1人で抱え込んでしまう傾向に。
できれば、信頼できる人に自分の気質について相談してみましょう。
無理に「HSP」だと伝える必要はありません。例えば「作業環境は少し他の人と距離がある方が集中しやすい」「いろんな音が混ざると集中しにくい」など、仕事のパフォーマンスが上がるための相談は会社にとってもよいことのはず。
誰にも相談できないまま、仕事のパフォーマンスが落ちてミスが続き、自己肯定感が下がるなどの状況にならないためにも、信頼できる相談相手を日頃から探しておくとよいでしょう。
4.ストレス解消法を見つける
HSPは自分の気質を理解した上で、ストレス解消法をいくつも持っておくと安心です。
運動やストレッチで体を動かす
温かい飲み物を飲む
読書する
日記を書く
アロマテラピーを取り入れる
上記は一例にすぎませんが、会社でもできるストレス解消法があるとよいでしょう。
「今ちょっと疲れているな」と自分で気づいたときに、すぐに対応できるものがおすすめです。
「引き出しに大好きなスイーツを入れておく」「お気に入りの文房具を使う」「癒される写真を飾っておく」など、日常に自分の好きなモノを散りばめておくのも一つの方法です。
5.働きやすい環境を整える
HSPにとって働く環境は思った以上に大事な要素。可能な限り、自分が働きやすい環境を作る努力をしてみましょう。
在宅勤務の許可をもらう
仕事内容が合わないので異動を希望する
苦手な上司のいる部署から転属願いを出す
昼休みは1人になれる場所で過ごす
音が気になるのでイヤホンを許可してもらう
など、仕事をする上で必要な交渉は積極的に行ってみましょう。
HSPの転職の不安を取り除く方法
1.HSP長所・強みを活かせる仕事を選ぶ
共感性が高い
気配りができる
想像力が豊か
正確で丁寧な仕事ができる
洞察力があり、場の空気を読める
危機管理能力が高い
このようにHSPにはたくさんの長所・強みがあります。
疲れやすい、落ち込みやすい、抱え込みすぎるなどデメリットに感じることも多いHSPですが、これらの強みを活かせる仕事を選べば、活躍の場は広がり、仕事も長く続けやすくなります。
2.興味のある分野を選ぶ
HSPは、興味のある分野に対して他の人にはない力を発揮します。
自分が興味がある仕事なら、知識やスキルアップなど自ら積極的に行い、気づけば会社にとってなくてはならない唯一無二の存在になっていくでしょう。
3.休みやすい・1人の時間をもてる仕事を選ぶ
人一倍繊細なHSPは、心身共に疲れやすいのが特徴です。できるだけ休みを取りやすい仕事が適しているでしょう。
何日も仕事を休んでしまうと、周りに迷惑がかかってしまうので休みづらくて頑張ってしまう傾向にあるのがHSPです。その結果、体を壊したり、心の健康が保てなくなったりというケースも。
シフト制やフレックス制度などを導入している会社や、有給休暇が取りやすい、在宅ワークを推奨しているなど、比較的自由な会社を選ぶと続けやすいでしょう。
4.職場の人間関係を重視する
HSPは無意識のうちに人に気を遣ってしまうため、人との関わりが多いほどストレスになってしまいます。
人間関係がギクシャクしていたり、常に神経を張り巡らせてピリピリしているような職場環境は合いません。
会話が少なくても成り立つような業務や在宅ワークでも完結できるような、なるべく人との接点が少ない仕事なら続けやすいでしょう。
5.自分のペースで働ける仕事を選ぶ
HSPは、繊細さゆえに他の人よりも疲れやすい傾向にあります。無理せず、自分のペースでできる仕事なら続けやすいのではないでしょうか。
周りの環境に影響されるHSPは、仕事のペースが定まらずイレギュラー対応が多いとストレスに感じることも多くなります。
また、周りの残業のペースに合わせて、自分も残業しなくてはならない環境下では自分のペースが保てず、ストレスが蓄積されてしまいます。
自分のペースで働けるカウンセラーやフリーランスなども視野にいれてみるとよいでしょう。
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