ヨモギ編:第二話 ヨモギ、我が家へ!
家に着くと、逃げられないよう一時的な措置として、酸素が入る程度の隙間を開けてボウルの上に大きめのアクリル板を乗せる。
ボウルとアクリル板・・・いかにもアンバランスだが仕方がない。
見た人は(ナニコレ)と思うこと必至である。
連れて帰ったものの、カエルを入れられるような虫かごはない。
しかし、外へ逃がしたところで大地は雪に覆われている。
これでは再度冬眠することはできないだろうと思い、冬の間は家で保護し、春になったら自然に帰すことにした。
カエルの知識が全くなかったぱつ子。
カエルは水が好きだろうと勝手に思い込み、ボウルの縁にへばりついているカエルを水の中に誘導しようと、恐る恐る手を伸ばす。
震えながらも何とかカエルをつかむことに成功、水の中へ浮かせるように入れる。
しかし途端にカエルは水から出て、またもやボウルの縁にへばりついた。
水の中が嫌なのだと気づいた。
しばらく観察していると、酸素を入れるために開けていた隙間から出ようとする。
完全に蓋をすると酸素が入らない、隙間を作ると逃げられる。
何か他にいいものはないか、水槽でもいい、と家の中を探す。
すると、姉が以前熱帯魚用に使っていたガラス水槽が目に留まった。
高さはないが、幅はカエル1匹入れるには十分な大きさだった。
カエルを水槽へ移す。恐る恐るではあるが何とか触れるようになった。
というよりも、この際四の五の言っていられない。
水槽は確保した。が、またもや蓋がない。
今度は蓋を探す。
大きい虫かご用の蓋らしきものを見つける。水槽よりも大きそうだ。
蓋だけで虫かご本体はない。
蓋のない水槽と、本体のない虫かごの蓋とで、急遽カエルハウスを作る。
もちろんサイズは合わない。
水槽に虫かごの蓋が被っている状態だ。
蓋の方が大きかったが、逃げられる程の隙間ではなかった。
なにも入れないのも殺風景なので、熱帯魚用の水草や岩のオブジェを入れた。
若干見栄えが良くなったことに1人満足し、虫かごを買うまでこのまま様子を見ることにした。
第三話へ続く
☆今日の豆知識☆
オタマジャクシに足が生えて、水中から陸に上がること「上陸」って言うんだって!上陸したての時はまだ、尻尾が生えてるよ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?