野生編:間に合わなかった・・・
梅雨明けしたばかりのとある休日でのこと。
いつものようにルーカスの散歩に出かける。
農道では上陸したてのカエルたちをたびたび見かけるようになった。
小さすぎて下を見ながら歩かないと気づかずに踏んでしまいそうだ。
辺りはたくさんの水田。
カエルを飼育している身として、オタマジャクシから無事カエルになれたことに喜ぶ。
その矢先、1匹のカエルが道端でじっとしているのを見つけた。
そこそこ成長しているアマガエルだ。
顔は上げているため生きてはいるが、目の前で手をパタパタしても、なぜかその場から動かない。
上半身だけを左右に振っている。
カエルに顔を近づけると、足が地面にへばりついているように見える。
しかし、下半身が轢かれている風ではない。
まだそれほど暑い日ではなかったが、カエルにとっては路面は暑かったかもしれない。
この路面の暑さが何か関係しているのだろうか・・・?
またもや見て見ぬふりができずに、余計なお世話にとりかかる。
上半身を持ち上げて足がどうかなってしまっても困る。
とりあえず地面にへばりついている足を地面から少し離せないかと思い、近くにあった木べらや爪の先で足をつんつんしてみるが、全く離れない。
乾燥していると尚のこと無理かもしれない。
ヨモギの時と同様、ルーカスを送り届けるため一旦家に帰り、紙コップに水を入れて現地に戻る。
すると向かう途中、遠目から小さな鳥が2~3羽カエルのいるあたりで何かしているのが目に入った。
(あ!やばい!)
(生きててくれよ~💦)
そう思いながら、急ぎ足で向かう。
だが遅かった・・・
カエルは、足がへばりついたまま、上半身だけがひっくり返っており、血も出ていた。
あのたった10分そこらで鳥の目に留まり、命を奪われてしまうとは・・・
ショックと助けられなかった申し訳なさでいっぱいになり、しばらくその場で呆然と立ちつくした。
(暑かったやろう。かわいそうに・・・)
紙コップに入った水をかけて、トボトボと家に向かった。
毎日数えきれないほどの生き物たちが、星になっている。
過酷な自然環境の中で、1分1秒を必死で生きている。
眠る時さえも、常に周囲に危険がないかとアンテナを立てている。
それに比べ、安全に住めるところがあり、1日3食食べられ、夜も周囲に気を配ることなく眠れる。
そんな毎日を送っているにも関わらず、
(また明日も仕事かぁ・・・( -言-))と悩むのは贅沢なことなのかもしれないと思う今日この頃である。
終🌠
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