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台南「新光三越」で日本のクラフトビールを買う

今年の9月9日は中秋節。旧暦の8月15日にあたり、台湾では祝日になる。日本でも「中秋の名月」とか言ってお月見する習慣がなくもないが、旧暦を重んじる中華圏の国々では、この中秋節はもうちょっと大きなイベントみたい。

台湾では家族や親戚で集まるのが伝統的な中秋節の過ごし方。ただここ20〜30年で 「旧友と集まってバーベキューする」という過ごし方も人気になっているとのこと。

そのバーベキューにお呼ばれしてしまった。

学生時代の台湾人の友人が数日前、大学OB会の台湾支部みたいなLINEグループに私を追加してくれた。すると「よろしくね!困ったことあったら頼ってね!」みたいなLINEメッセージが続々と届き、そのうちのひとり、2〜3歳年上の台南在住の男性(と思われる人)から「中秋節にバーベキューやるのでおいでよ」。会ったこともなく、顔すら知らない私に対し、ほんと、台湾のみなさんの「熱情」ぶりには驚かされるばかり。

rèqíng【情】
(1)名詞
 熱情.熱意.情熱.意欲.
(2)形容詞
 心がこもっている、親切である.

¶ 他对待朋友很热:彼は友達に対してたいへん親切である.
¶ 感谢你的热款待:あなたの心のこもったもてなしに感謝します。
¶ 热服务:心のこもったサービス
小学館 / 商務印書館 『中日辞典第3版』

会費を尋ねると「不用喔(いらないよ)」というので、これはご馳走になってしまうことが確定。こちらもいいオトナなので、手土産を持っていくことにする。バーベキューに持っていくので、やっぱりお酒が定番だろうか。

せっかくなので日本のものが良いだろうと考え、市内の三越に向かった。なお、こちらでは新光という現地企業との合弁運営なので「新光三越xīnguāng sānyuè」が正式な店舗名。

地下2階まで降りると、あったあった、お酒コーナー。ワインを中心に、世界のいろんなお酒を幅広く取り揃えている。

おもしろかったのは日本酒があんまり置かれていないこと。なくはないけど、奥のほうにちょろっと置いてあるだけ。

かわりに目立つ位置に並べられているのは焼酎とか泡盛とか九州〜沖縄系のお酒だ。やっぱり気候が近いから、こっちのほうが好まれるのかな。

すぐそばにあったビール売り場も充実していた。

私の故郷・岩手のクラフトビール「ベアレン」も見つけてしまう。台湾では日本の物品でも大抵のものは手に入ると聞いてはいたけれど、まさかベアレンまであるとは。日本酒を買うつもりでやってきたのだが、これならベアレンもありだなあ。

ところが値札をみて驚いた。

1本(330ml)で240台湾ドル。円安がまた進んで現在1台湾ドル=4.65円前後なので、為替の手数料も考慮すれば1本1150円の超高級ビールである。ベアレンって元々高くて、たとえば写真のアルトとシュバルツは日本でも400円する。ただ、とはいっても、いくら輸入品だからといっても、それにしても3倍とは……。

別に台湾のビールを持っていったっていいんだけど、やっぱり手土産ってストーリーが大切。「日本の実家近くで作ってるビールなんです」と紹介するだけで、相手に与える印象はケタ違いというものであろう。これは「ビールを買う」のではないんだ、「友達作りの強力な武器を買う」のだ。頭を切り替えることにした。

ちょっとひよって、同じく故郷のクラフトビールで、すこし価格帯の安い銀河高原ビール(149台湾ドル)も買った。

岩手の3本だけだと見栄え的にさびしいので、厳密にいえば故郷ではないが「私の出身である日本の北部」で作られた網走ビール(それぞれ159台湾ドル)も買った。だいぶ北だが。

ただ、いまちょっと迷っている。

銀行から引き落とされたのは5286円。ちょっと手土産に持っていくにしては高すぎる? 高いわりには量が少なすぎる? ここらへんのバランスってすごく難しい。岩手のビール3本+台湾のビール3本などと組み合わせて持っていくのも悪くないかも。


【2022/09/08の日記】

午前中から大学のオリエンテーション。9〜12時がregistrationと書いてあって、何時に行けばよくわからなかったので9時30分ころ行った。結局、この時間に行くのか正しかったのかどうか、終わった今になってもよくわからない。

思っていたより欧米系の学生が多いという印象だった。北京の大学のオンライン授業を受けていたときは、時差の関係もあったのか、3分の2くらいが日本人と韓国人。あとはタイ人、モンゴル人、いずれも華僑系のオーストラリア人&ニュージーランド人みたいな感じだった。ちょっと雰囲気が違う。

午後がオリエンテーション。全体の説明会は英語なので気が楽。学内の注意事項だけでなく、たとえば「台湾のドライバーがあなたに道を譲ることなんて絶対にないから、道路を渡るときは気をつけて!」みたいな注意もあった。

事前に受けていたプレイスメントテストの結果、わたしはFというレベルのクラス(F班)に組み入れられている。

そのメンバーとまずは顔合わせ。来週月曜日までの予習の指示を受ける。私は「宿題や試験は手書き(手寫)じゃなくてキーボードでタイプする(打字)でも良いのか?」と質問してみた。ダメと言われるかと思ったが、意外とOKらしい。ただし宿題はデータではなく紙に印刷して提出しなさいとのこと。

この日午後には「自分の中国語のレベルと、クラスのレベルがあわないという人は、クラス替えテストを受けてください」という時間が設けられていたのだが、クラスがまだ始まっていないのに、どうやったらレベルがあっているかどうか把握せよとちうのか、謎……。

一応教科書を買うまえに先生方にほかのレベルのクラスの教科書を見せてもらう。が、これまで簡体字で中国語を勉強してきた自分にとっては、繁体字の教科書はぜんぶ難しく見えてしまう。もう面倒になって、クラス替えの検討はやめた。教材はテキストとワークブックが売られていたが、ひとまずテキストだけ660台湾ドルで購入。結構ぶあつい。

かなり強い雨が降っていたので大学で時間をつぶしたあと、前述の通り三越へ。お酒以外では、MLBグッズを売っているコーナーで、1番目立つ位置に飾ってあるのがエンゼルス&大谷くんのレプリカシャツで、ファンの一人としてほっこりした。

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