にしむきてんじんしゃ
6月×日
所用あって東新宿方面へ。
大江戸線の東新宿駅よりも東側、今まで足を踏み入れたことのない辺りを「この道で良いのかな」とやや不安になりつつ歩いていると、ちょっと雰囲気の有る鳥居が現れた。
まだ時間に余裕が有ったので入ってみることに。
なかなか立派な神社だ。
スマホで調べてみると、「西向天神社(にしむきてんじんしゃ)」という神社らしい。
小さな公園も隣接していて、おじいちゃん(らしき人)が小さな女の子を遊ばせていた。
土曜の昼頃だったのだが、他にはベンチで背広姿の若い男性がスマホをいじっているだけ。
静かでのんびりした良い雰囲気だった。
知らない神社を見つけてふらっと見物する、というのは、最初から目当ての神社や寺があってそこを訪れるのとはまた違った楽しさがある。
境内に「紅皿の墓は駐車場の中にあります」という看板が有った。
「紅皿」というのが何かわからないがいったん神社の敷地を出て、すぐ隣の駐車場に入ってみる。
隅の方に石碑みたいなものがあった。
紅皿というのは、なんでも太田道灌に関わる有名なエピソードに出て来る女性らしい。
太田道灌のホームページには次のように書いてある(太田道灌のホームページってなんだよ、と思うが、あるんです。本人が運営しているわけではないと思う)、
さすがは太田道灌である。
私なら「確かに俺は学が無いかもしれないけど、こっちがわかってないことを察した時点ではっきり蓑が無いって言えばいいじゃんか」と腹を立てるところだが、自らの不明を恥じるあたり人間が出来ている。
それはともかく、この若い娘が紅皿(べにざら)という名らしい。
後に道灌は紅皿を城に招いて歌の友となり、道灌の死後、紅皿は尼となって大久保に庵を建てたという。