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きまじめ楽隊のぼんやり戦争【映画備忘録】

主人公は兵隊である。
9時から5時まで、規則正しく戦争をやっている。
川向こうの町との戦争である。
その戦争はいつ始まったのかわからないくらい昔から続いている。
川向こうの奴らは本当に恐ろしいらしい。
主人公がいつも昼飯を食べに行く食堂のおかみさんは、自分の息子が川上で戦っていることを自慢にしている。なんでも川上に行くほど戦闘は苛酷になり、だから川上で戦うのは名誉なことであり、給料もいいのだ。主人公もいつか川上で戦いたいと思っている。
ある日、そんな主人公に軍楽隊に入隊せよとの指令が下る、

そんな感じで始まる映画。

この設定を知って、ああ、こういうの好きだな、面白そうだな、と思ったのだが・・・

うーん、ぼくには駄目でした。
残念。

登場人物たちがおかしな言動をする。
普通のことを真面目にやっているのにそれが可笑しく見える、というのなら良いのだが、そうではなくて実際に可笑しな言動をするのだ。

なんか作り手が笑わせに来ているような気がしてしまう。
うーん、こういうのじゃないんだよなあ、と思ってしまう。

奇妙な設定の中で、ごく普通の人間たちが動き回るのが面白いのだ。
奇妙な設定の中で奇妙な人間たちが動きまわるとなると、ちょっとついていけなくなってしまう。

この設定で、ごく普通の人たちが、この状況を普通に受け入れて、普通に生活をして、普通に戦争をするような映画が見たかった。

それはお前の好みの問題だろ、と言われればそのとおり。

セットにしてもロケにしても、こういうものが撮りたいんだ、というのが伝わってくる映画なので、好きな人はすごく好きになる映画かもしれません。


あの川が良かったな。
向こう岸との距離が絶妙に良かった。

×××××××

この映画を見たのは4月25日の日曜日、緊急事態宣言が出た日。
テアトル新宿は25日26日は休館ではなく時短営業。
これは多分、25日26日は営業しても27日から休業要請に応じれば補償金が出る、しかし27日に営業してしまうとその後で休業しても補償金が出ない、ということで、ギリギリまで考えよう、ということだったのだろう。
結局27日から休館ということになった。
こちらとしてはこの2日間だけでも営業してくれてありがたかった。
いや、不要不急の外出は駄目ですね、すみません。しかしもう行ってしまったものは仕方がない。今後気を付けようと思います。


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