見出し画像

アーティゾン美術館「空間と作品」

8月×日
アーティゾン美術館で「空間と作品 作品が見てきた景色をさぐる」

この美術館に来るのは3回目、かな。
前身のブリヂストン美術館時代には確か1回だけ来たことがある。

なかなか立派な美術館です。


今回の「空間と作品」展は、

この展覧会では、モネ、セザンヌ、藤田嗣治、岸田劉生、琳派による作品や抽象絵画まで、古今東西、様々な分野の作品からなる石橋財団コレクション144点によって、美術品がどのような状況で生まれ、どのように扱われ、受け継いでこられたのか、その時々の場を想像し体感してみます。

公式ホームページより

ということで、要は所蔵作品展みたいなものだが、作品そのものだけではなくその周辺にも焦点を当てた展示になっている。

4階~6階の3フロアに展示室があって、6階→5階→4階というふうに見て行く流れ。

各階にコンセプトみたいなものがあって、大雑把に分けると、

6階・・・作品を置く(飾る)空間について

5階・・・作品の所有者(とその変遷)や依頼者について

4階・・・額縁や表装など直接的(物理的)に作品の周辺にあるもの、について

という感じ。

個人的に一番面白かったのは6階。

美術作品は最初から美術館に展示されるために作られるわけではないのだから、まず私的な(場合によっては公的な)空間に飾られて人の目にさらされるわけだ。
当たり前のことなのだが美術館で美術品を見る、ということに慣れてしまうと意外と忘れてしまうことなので、それをあらためて意識させてくれるという意味で面白かった。


6階には作品の脇に作品名や作者名のキャプションが無い(展示のコンセプトについての説明文はある)。
部屋に絵を飾る時に絵の横にキャプションを付ける人はいないだろうからこれも当たり前なのだが、観ているとついついキャプションを探してしまう。

普通の展覧会では考えられないくらい贅沢な空間の使い方。
こんなでっかい絵を飾れるような家に住んでみたかった。
この男性はウラジミール・ホロヴィッツ

5階と4階についてはそこまで惹かれるものはなかったが、これは個人の好みと興味の問題だろう。
それにコンセプトにそれほど興味を持てなくても、もちろん単純に絵を見るだけでも楽しい。
さすが石橋財団コレクション、という感じ。

この間SOMPO美術館で見たロートレック展には一枚も無かったロートレックの油彩画。
でもなんか版画っぽい。
青木繁。
「海の幸」って絵はぼくにはどこが良いのかわからないのだが、この「わだつみのいろこの宮」は好き。
5階の壁の一部がガラス張りになっていて、4階の展示を見下ろすことができるようになっていた。

(10月14日まで)

いいなと思ったら応援しよう!