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NTTインターコミュニケーションセンター「とても近い遠さ」
暑い。
暑すぎる。
映画を観る、展覧会に行く、というのは暑い時期には悪くない過ごし方だ。
しかしこう暑いと、映画館や美術館に行くまでの間がもうつらい。
できるだけ最寄りの駅から外に出ずにたどり着けるようなところにしたい。
というわけで、初台の東京オペラシティへ。
京王新線の初台の駅からほぼ外に出ずにたどり着ける。
3階のオペラシティアートギャラリーでは「髙田賢三・夢をかける」という展覧会をやっているが、今日はそこではなく4階にあるNTTインターコミュニケーションセンターへ。
ここは、ちょうど一年くらい前に初めて来たところ。
その時は「ICCアニュアル2023ものごとのかたち」という展覧会だった。
いわゆる「メディアアート」ってものにはなじみがなかったので物珍しかったし、入場料は安いし(500円だった)、なにより空いていたのが良かった。
今回の展覧会は「ICCアニュアル2024とても近い遠さ」
入場料はやはり500円。
そしてやはり空いていた。
この時代の情報環境における,さまざまなリアリティの「遠さ」と「近さ」(とその変化)について,これからの集合的無意識を構成する要素について,私たちの日常の変化を反映した作品,日常がどのように変わるのかをとらえようとした作品など,それぞれが異なるアプローチによる作品から考えてみたいと思います.
去年の展覧会もそうだったが、何かわかるようなわからないような不思議な作品が並んでいる。
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直前にオペラシティの中で昼食をとって(ちょっと奮発した)お腹いっぱいだったせいもあるかもしれないが、なんとなくボーッとして集中できないようなふわふわした感じで見て回った。そういう見方がこの展覧会に合っているような感じもした。(もちろんピリッと集中して見ればそれはそれで良かっただろうけど)
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SNSで削除された投稿を再構成したもの、とか
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映像作品とかの動く作品の感触は写真だと全然伝わらない。でも言葉で説明するのも難しい。
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まだ世界の終わりではないらしい。良かった。
去年の「ICCアニュアル2023ものごとのかたち」で一番印象に残ったのが、無響室という部屋で体験するサウンドインスタレーションだったが、今年もやはり無響室の作品が面白かった。
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去年は一人で部屋に入って椅子に座らされ、電気が消されて真っ暗になった中で耳元になにやら音が聞こえて来る、みたいな作品だった。
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今回の作品は、椅子はなく明かりもついていて、部屋の中に小さなスピーカーが沢山並べられていてそこからラヴェルの「ボレロ」がうわわわわんと聞こえて来るというもの。
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なんだか不思議な響きで面白かった。
家に帰ってからホームページで見てみると、
この作品は,フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによる「ボレロ」の81種類の異なる演奏音源を小節ごとに分割し,重複なく組み合わせ,その中から54のパターンを抽出し,それらを同期させて再生しています.その音は,遠く彼方から聞こえてくるようにも,また,どこか音の雲のような,茫漠とした音がそこに存在するようにも感じられるかもしれません.
というものらしい。
なるほど。
これはもう一度聴きに行ってもいいかな。
安いし。