見出し画像

JCIIフォトサロン・土田ヒロミ作品展「ヒロシマ・コレクション」

JCIIフォトサロンは日本カメラ博物館の中にある小さなギャラリー。
地下鉄半蔵門線の半蔵門駅から徒歩1分。
現在、土田ヒロミ作品展「ヒロシマ・コレクション」を開催中。

「ヒロシマ・コレクション」は、広島平和記念資料館所蔵の被爆資料を撮影したシリーズです。戦後77年が経過した現在もなお、資料館には市民からの寄贈が継続的になされています。(中略)
特に2000年以降は、世代が変わり身内の個人的な「形見」を私的に祀り続けることが困難になって来た事情もあるようです。個人の仏壇やタンスの奥で長年守られてきた遺品の寄贈が増えています。

土田ヒロミ「ヒロシマ・コレクション」について より


モノクロの写真の下に短い説明文があるというスタイル。


ワンピース

○○さん(当時21歳)は第五師団司令部(爆心地から790m)で朝の体操中に被爆。縮景園に逃げたが、火の勢いを避け京橋川に浸っているところを兵隊に助けられ、師団司令部に収容された。9日、似島に転送されたが、11日に死亡。この絹のワンピースは、上着とモンペの下に付けていたもの。

(実際の説明文にはすべて実名が書かれている。引用する際に実名を書くのがなんとなくはばかられたので○○とした)


女学生の夏服

○○さん(当時県立広島第一女学校1年・13歳)は学徒動員として土橋地区(爆心地から800m)で建物疎開作業中に被爆。己斐まで逃れていたところを発見され、大竹の両親の元に運ばれた。その日の様子を両親に語り、水を欲しがったが、8月6日深夜死亡。

こんな感じの写真と説明文が四十数点。
さっと見るだけならそれほど時間はかからない。

衣服だけでなく、時計、弁当箱、爪(被爆の後、黒い爪が生え続け、変形した爪には血管があり、出血するため爪を切ることができなかった、とのこと)なども。

異形の爪


入場料は無料。

開催は8月28日(日)まで。

× × × × × ×


帰りは九段下まで歩くことにした。

途中、ここに立ち寄った。
8月の緑
ここに来るのは初めて
百合
千鳥ヶ淵
むせ返るような緑
異常な蒸し暑さ
「南方」というのはこんな感じなのかもしれないな、と思ったが、何も知らない人間の思いつきなので、たぶん間違っている。


いいなと思ったら応援しよう!