東京ドームの入口みたいなメキシコ国境
このヘッダー画像、なんだかわかりますか?
アメリカはサンディエゴから、お隣の国、メキシコに入るための国境のゲートです。
東京ドームの入り口の回転ドアかい!
ってな具合でひょいっと、くるっと、パスポートやビザの確認もなく、簡単に入国できちゃいます。
その代わり。
メキシコからアメリカに帰って来る際には、パスポートやビザなど必要な書類を確実に用意していないと入国させてもらえません。
最悪、日本へ強制送還です。
現在の法律ではどうかわかりませんが、私が留学していた当時は、これに引っかかってアメリカに戻って来られなくなった友達が数名いました。
ではなんでそんな危険をおかしてまでメキシコに行くのか。
それは。
クラブ!お酒!
アメリカでは飲酒は21歳からなので、当時19〜20歳だった私たちは、よくメキシコのクラブに遊びに行きました。
飲みに、そして純粋に踊りに!
メキシコ国境沿いに、まさにそんな私たち専用かのようなクラブやバーが立ち並ぶティファナという街があり、昼は観光客で、そして夜は未成年のアメリカ人や留学生で賑わっていました。
日本でもアメリカでも飲めないのに、そこに行けば飲み放題とくれば、そりゃ、行きますよね。
ハメを外しすぎた友達がパスポートを無くして、みんなで必死でクラブ中を探し回ったこともありました。
なかなか無い、青春を飛び越えたレアな経験でしたね。
でも、そこで同時に目にしたものも、ここに書いておかなければならない気がしています。
アメリカに再入国するための監査を待つ車の渋滞の列をぬって、メキシコの子供たちがつたない英語で声をかけてきます。
「花はいりませんか?」
当時の私は先輩に「絶対に買っちゃダメだよ」と言われるがまま、その窓を開けることはしませんでした。
それが正しかったのかどうか、今でも分かりません。
わからない、ということ自体が、酷いことなのかもしれません。
その子供たちは、ある程度のお花が売れると、お母さんのような大人の女性のところに戻っていき、またお花を持って散り散りに活動し始めます。
深夜3、4時のことです。
メキシコに限らず、アメリカ国内でも、日本では感じることのないような貧富の差を目の当たりにしたし、それは数年前に台湾に通訳として同行した時にも感じたことでした。
そしてメキシコに話を戻すと、それだけの差のある国へ、一方ではこんなに簡単なゲートで入れてしまい、一方では厳重な監査を通さなくてはいけないことに、簡単には言葉に出来ない、何か大きな歪みのようなものを感じました。
それが、現実。
メキシコは、たくさん飲んで踊った楽しい思い出と一緒に、あの時花を買うべきだったのかどうか、今になってもなおわからない私を残しました。
ちなみに!
昼間に行けば、でっかい帽子を被った陽気なおじちゃんたちが、「どらえも〜ん」とか「やすいよ〜さざえさ〜ん」とか、知ってる日本語でがんがんお土産を売りにきてくれます。笑
そして印象的だったのがもうひとつ、やっと見つけたおしゃれカフェで、やっと見つけたおしゃれボーイズたちにコーヒーを出してもらい、ホッと一息ついていたら、そのカフェの中も外も、どこもかしこも、街中がハエだらけなことに気づきました。
もう、笑って笑って、ボーイズたちも笑って、おじちゃんたちも笑って、そんな陽気な昼のティファナも好きでした!笑