多肉植物の ”寄植え” 育て方
エケベリアとセダムの寄植えは、乾燥を好むエケベリアと水が好きなセダムを1つの鉢に植えているため、できるだけ長い間カワイイ状態を保つためには、各々単体の育て方とは若干異なり、少し工夫が必要になります。
多肉植物を元気に育てるための重要な要素は、「置き場所」、「日照」、「水」、「風」です。
多肉植物の多くは中米・アフリカの乾燥地帯が故郷なので、高温多湿の日本の夏(6-9月)は特に注意が必要です!
置き場所
年間通し、屋外の風通しの良い明るい日陰(*2)で育ててください。
室内は屋外と比べかなり暗く、空気の流れが少ないことから、徒長(*1)の原因になるので、できる限り避ける
やむを得ず室内に置く場合は、エアコンなど冷暖房の風に直接当たらない、明るい窓際に置くようにする
雨晒しは避けてください。
土が乾かない期間が長くなると、根腐れやカビが原因で枯れることあり
冬0℃以下になる時間帯は軒下や屋内など霜の当たらない場所に避難させてください。氷点下3℃以下になる場合、その時間帯だけは室内に取り込んでください。
霜に当たると葉や茎中の水分が凍り枯れることあり
日照
基本は年間を通し、明るい日陰(*2)で育ててください。(工夫1)
秋から春は午前中数時間日光に当てても良い
初めて直射日光に当てる際は、明るい日陰⇒短時間の日光浴から徐々に日光に慣らす
西日は避ける
夏の明るい日陰は少しの直射日光も避けてください。
夏の直射日光は葉焼けの原因になるので注意
日差しは季節によって大きく変化するので、意図せず直射日光に当たらないように意識してください。
水やり
土が乾いたらジョウロでサッと少量の水をやるようにします。(工夫2)
水を沢山やると、徒長したり、葉が開いたり、早く成長し寄植えのバランスが崩れる
土が湿っている時は水をやらない
エケベリアは水が足りなくても枯れることはほぼ無いが、水が多すぎると根腐れなどで枯れることがよくあるので注意
セダムは水が足りなくなると枯れるので注意
目安は以下の通り(「置き場所」、「日照」、「水」、「風」の環境により異なります)
春と秋はおおよそ10日毎にジョウロでサッと少量やる
夏は土がしっかり乾いてから(おおよそ10~15日毎に)ジョウロでサッと少量の水をやる
冬はおおよそ20日毎にジョウロでサッと少量の水をやる
水遣りはジョウロで、霧吹きでは水遣りにならないので注意
夏の水やりの時間は夕方に、葉に乗っている水玉はブロアー(*3)で吹き飛ばす
夏の期間、朝や日中に水やりすると、水は鉢の中でお湯になり、根を痛めるので、水やりは夕方涼しくなってから
水やり後の葉に乗っている水玉や葉の隙間の水をそのままにすると、蒸れて枯れる原因となるのでブロアーで吹き飛ばす
上記の別の方法として10秒ぐらいの底面給水(*4)も有効
施肥
不要です。
与えると秋~冬に紅葉しにくくなる
育ちすぎて寄植えのバランスが崩れる
植替え
不要です。
1年ぐらい経過し、部分的に枯れたり、全体のバランスが悪くなったら植替えどき
植替えは秋10月が最適、春3-4月でもOK、それ以外の時期はあまり適さない
植替えの詳細が知りたい方はお問合せください
その後のお世話
伸びすぎたセダムは適当な長さでカットし、ピンセットなどを使い、隙間に詰めてあげてください。
隙間に詰めるだけで、土に差し込まなくてもOK
エケベリアは外周の葉から徐々に枯れ、中心から新しい葉が出てくるので、枯れてカリカリになった葉はピンセットなどで抜き取ってください。
枯れ葉が大量に堆積すると、カビの発生や通気性の悪さからの蒸れにより、多肉自身が枯れる原因となる
お世話する道具は以下の通り
ジョウロ:観葉植物用の小型のジョウロやペットボトルのキャップ型のノズルなど
ブロアー:カメラ用のゴム製のブロアーなど
ピンセット:ステンレス製の先端がギザタイプ先曲型と先端が尖った先曲型など
*1:徒長とは、、、
室内など日照不足の環境で長い間育てると、写真のように葉がビローンと長くなったり、茎がひょろひょろ伸びたり、葉と葉の間の茎が間延びしたりする現象を徒長といい、明るい環境で育った多肉とは全く異なる顔になります。
*2:明るい日陰とは、、、
この写真だと上から2段目が「明るい日陰」です。大部分が日陰で、若干日が当たるか否かの場所を指します。
1段目は「直射日光」の日向、3・4段目は「日陰」です。
*3:ブロアーによる水飛ばしとは、、、
水遣りをすると葉の間に水玉が残ります(写真左)。ここに直射日光が当たると、水玉はお湯になって多肉植物に大きなダメージを与え、特に夏は枯れることもあります。水玉をブロアー(写真右)で吹き飛ばしておくようにします。
*4:底面給水とは、、、
水を張った容器に鉢の2/3程度まで10秒ほど浸けることで、鉢の底から水を吸い上げる水遣り方法です。
水に浸けるとき、鉢が転がらないように注意が必要です。上から水をかけないので、葉に水が乗らず、ブロアーによる水飛ばしが不要です。