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「生涯の映画10本」
いつでもいいけど、生きている間にこれだけは観てほしいと確信を持って勧められる映画10本。
しかも、敢えて振り切って古いところから、さらに自分以外に選ぶ人は少なそうなものを優先した。
未見の名作も無数に残されているし、なぜこれが入らないのか、を言い出せば終わりがない。大雑把に割り切るしかない。最終回答としたいところだが、あくまで暫定的な10作品。
20代の前半、レコード屋の店員だった頃、古典映画のDVDにポップ(おすすめ手書き文)をせっせとつけていたら、同僚に「本当に好きな生涯の映画10本みたいなのを教えてよ」と頼まれた。
そのときに書いたものを、自分自身が今読み返したい。基本的にはあの頃とほとんど変わっていないはずだから。
最も影響を受けたのは、淀川長治さんの解説映像が付いた「世界クラシック名画100撰集」。
VHS時代だった。さすがに100本全ては観れていないままだが、映画について人生について、数え切れない多くのことを学んだ。
今回も7~8割はそこから選んでいる。
サイトとしてまとめられているのを発見して、狂喜した。淀川さんの喋りも書き起こされている。
あとの2割は比較的新しい(それでも1970年代)ものを自分なりに。
順位はない。制作年代順。
バスター・キートン『キートンのセブン・チャンス』(1925年、アメリカ)
セルゲイ・エイゼンシュテイン『戦艦ポチョムキン』(1925年、ソ連)
フリッツ・ラング『M』(1931年、ドイツ)
レオ・マッケリー『我輩はカモである』(1933年、アメリカ)
カール・ドライヤー『ヴァンパイヤ』(1933年、ドイツ/フランス)
チャールズ・チャップリン『モダン・タイムス』(1936年、アメリカ)
キャロル・リード『第三の男』(1949年、イギリス)
アルフレッド・ヒッチコック『裏窓』(1954年、アメリカ)
ジャック・リヴェット『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974年、フランス)
ジョン・カサヴェテス『オープニング・ナイト』(1978年、アメリカ)
さて、ここからクダクダと補足を入れたい気持ちはあるものの、それこそ際限がない。上記のそれぞれ一本一本が凄すぎるというのもある。
言っておきたいのは、映画という表現形態はすでにモノクロ/サイレント期に完成を見ているということと(とりわけ1930年頃のドイツで)、さすがアメリカは建国神話をも映画で創り上げるようなお国柄だけあって強大だと感服させられざるを得ない。
いやもちろん、いま公開中の新作だったり、独自配信の作品にも好きなものはたくさんある。ベスト何本、とかのリストも別でまた作れるだろう。
けれど、自分の根っこは基本的にこの辺りにある。
こういう歴史的な作品も観ていると、映画はより楽しめると素直に思う。