映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』
こちらの記事も旧ブログから引っ越し。
ジョージ・オーウェル関連で思い出したし、たった今の情勢と似た構図にも見える。
アグニェシュカ・ホランド監督『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(2019、ポーランド・ウクライナ・イギリス、118分)を観た。
原題は”Mr. Jones”で、実在の英国人記者ガレス・ジョーンズ Gareth Jones の苦闘を描く。
1933年の世界恐慌下で、ロンドン→厳戒態勢のモスクワ→ウクライナへと、たった1人で真実を追いかける。
全体主義の冷酷さは、極寒地の飢饉となって目の前に現われる。
報道とは何か?その問いを今日にも突きつけてくる実話。
命がけで闘い抜く強さがあった。
が30歳になる前に、中国で捕まり射殺されたという。
ジョージ・オーウェルとも交流があったようで、『動物農場』を構想し執筆する姿が途中に出てくる。
細かな編集や、凍てついた地を切り取る構図など、カメラワークも秀逸だった。
(2020年8月26日、新宿武蔵野館)