映画『はちどり』
旧ブログからお引越し。
2020年に観た新作映画の中では、最高の一本かもしれない。
『はちどり』(2018、韓国・アメリカ、138分)
英題:House of Hummingbird
原題:벌새
映画『はちどり』は観られて本当に良かったと思える作品。
ここでは、誰もが本心を上手く表現できない。
14歳では受け止めきれず溢れ出てしまう感情を、それでも必死に持ち堪えようとする意志が微かな表情に宿る。
自分を軽視せず、対等に接してくれる人に心を開いていく。
細部に至るまで目が行き届いた演出や、微細な表情まで映し出すカメラワークなど、どれも優れている中で、とりわけ脚本が突出している。
より大きなもの、つまり事故の鎮魂も同時に重ね描いていたことが、次第に明らかになってくる。
そのことに気づいたとき、傑作を確信した。
キム・ボラ監督はこれが長篇デビュー作ということ。
また凄い才能が出てきましたよ。
(2020年8月11日、ユーロスペース)
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