【小説】Virginia Woolf: TO THE LIGHTHOUSE
<2009年08月02日の手記より>
邦題:「灯台へ」
著者:ヴァージニア・ウルフ
ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの「千のプラトー」で、
しばしばその名が登場するヴァージニア・ウルフ。
彼女の作品はひとつも読んだことがなく気になっていたところ、
まるで Tiffany & Co. の商品かと思うような
美しいターコイズブルーの装丁をもつ本書(写真参照)を図書館で見つけ、
思わず借りてしまいました。
毎日、通勤時に読みすすめ、本日読み終わりました。
おもしろかったです。
”やさしいんだけど、ちょっとかなしいなにか” が
私の中にちょっぴり積もっていったような、
”きれいな景色や、きもちよい風、よい香り、そのような好ましいなにか”が
カラダのなかを通り抜けていったあとのような、
読み終わった今、そんな感じがしています。
おすすめです。
解説中にて引用されていた、ウルフ本人による次の一説に
とても心惹かれ、とても人事とは思えない感情がわいてしまったので
ご紹介して今日はおしまいにします。
『心に降りくるアトムは降り積む順序のまま記録しよう。
光景ひとつ、出来事ひとつが意識に刻みつけるパターンが、
いかに繋がりやまとまりを欠いたものであっても、
それをただ辿るようにしよう。
一般に重大とされるものには些細とされるものより
当然意味があるなどと思わないようにしよう。』