曇った世界を知った17歳の私へ
初めて煙草を吸ったのは17歳。
咽ながら、曇った目の前に広がる世界を眺める時間は、私を少し大人になった錯覚を起こした。
1分1秒、早く大人になりたかった。
17歳の私には、大人の定義なんて無かったけど、
きっと自分自身に何をしても許され、莫大な自由がある
思っていたんだと思う。
あれから年月が経ち、まだ吸い続け曇った世界を眺める私は
大人になれているのだろうか。
会社の健康診断で煙草と酒を止められた私は、
ただただ自制心の無さを突かれた気がした。
これが17歳で思い描いた"大人"なら
救いようが無いなとも思う。
しかし後悔は不思議としていない。
何をしても許されること自体、大人の定義としては間違いではなかったからだ。曇った世界で、こんな拙い言葉でも書き残し、自分の逃げ道を作りながら生きていけている。
こんな奴になってることは、曇った世界を初めて知った17歳の私が
思い描いた大人だと思うかどうかは知らないが、今現段階では大人って無限に楽しいと思えている。
煙草を吸っているからこその大切な出会いもあったよ。
だから胸は張れないけど、伝えたい。
ありがとう、17歳の自分。新しい世界に飛び込む無知さを持っていてくれて。
純粋無垢に大人になりたかった私は、煙草の値上がりで圧迫される日々の家計簿を見直しながら、分煙でお店が狭まる堅苦しい曇った世界で独身女、それなりに楽しんでるよ。
いつかこれを読んだ年を取った私が、やめておけと残す日が来たら、またその時の曇った世界を残してほしいな。大人になりかけの20代の私より。
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