坂口惣一|編集者|あさま社

あさま社・代表。書籍編集者。2022年、軽井沢の森のなかに出版社をつくりました。これまでの担当本→ booklog.jp/users/u112433 こちらのnoteで更新を続けています→note.com/asamasha/

坂口惣一|編集者|あさま社

あさま社・代表。書籍編集者。2022年、軽井沢の森のなかに出版社をつくりました。これまでの担当本→ booklog.jp/users/u112433 こちらのnoteで更新を続けています→note.com/asamasha/

マガジン

  • 移住者のリアル【軽井沢へ移住して気づいたたいせつなこと】

    2020年3月、娘の風越学園入園をきっかけに、17年住んだ東京を離れ、家族3人、軽井沢町へ移住しました。 都市と地方の往復で感じたこと、学校と子育ての記録、知らなかった地方の魅力を移住者の目線で言葉にしていきます。

  • 「本づくり」ここだけの話

    テーマは「編集者の本音」。読者や著者の方にわざわざ伝えるほどではない。けれど、じつは大切にしていることを書きました。参考になるかもしれませんし、ならないかもしれません。

  • 軽井沢 ”風の本棚” プロジェクト

    • 16本

    軽井沢町を舞台に、『本に集う時間をつくりたい』をかたちにするためにはじめたプロジェクトです。本にとどまらず、本箱、朗読、読書会、読み聞かせ、選書、森、焚き火、チェロ…いろいろなものと一緒につどいます。このプロジェクトがどう進むのか、みなさんとともに創っていきたい。そのために、プロセスから共有していきます。ぜひ、あたたかく見守ってください。

最近の記事

  • 固定された記事

編集者がひとりで出版社をつくって1年。いま思うこと

あけましておめでとうございます。あさま社の坂口です。 2022年の2月に7年勤めた出版社を退社し、出版社を立ち上げました。 2023年1月は登記から1周年。 いろいろとあったのですが書き記す時間もなく、あっという間に一年がすごてしまいました。 なぜ出版社をつくったのか、何がしたいのか、少しずつ言葉になってきた感覚があるので、年初ということもあり、残しておきたいと思います。 最初は思いつきだった出版社をつくる。 思いつきのようなアイデアに取り憑かれたのは、軽井沢に移住してから

    • 軽井沢に出版社をつくるまで。

      2022年の年明け、長野県軽井沢町を本拠として、出版社を登記しました。 社員は私一人。株式会社としての法人格です。 ここでは、なぜ一介の編集者にすぎない私が、会社を辞めて、創業を決めたのかを書いてみます。 1・サラリーマン万歳。起業家魂なんてゼロだった 経歴は、書籍の編集を10年。主にビジネス書や新書をこれまで手がけてきた。思い返すと新卒から20年、いっときも離れることなく、どこかの企業に雇用をされていた。毎月給与をもらうことに慣れきった自分がなぜ起業を決めたのか。リスク

      • 【出版社退職エントリー】 SBクリエイティブを卒業しました。そして次の目標へ

        2022年2月にSBクリエイティブを退社しました。 2014年6月に入社して、8年弱。編集者としてたくさんの機会を与えてくれた、人生でも忘れがたい時間です。とてもすべては書ききれません。とはいえ、次へのチャレンジの萌芽もそこにはあるはずで、時間をとってまとめてみました。何の参考にもなりませんが、一人の人間の記録として読み飛ばしてみてください。 企画会議で撃沈 ー入社〜種まき 前職のフォレスト出版には2年半、在籍した。そこからの転職。 フォレスト時代は初めての書籍編集だった

        • 「いつか本を出したい!」という人が考えておくといいこと

          移住をして、別業界の方と話す機会が増えました。 そんな中でもよく聞かれる質問がこれです。 「どうすれば本は出版できるの?」 異ジャンルの方からすると、出版とはブラックボックス。誰もが商業出版すればいい、とまでは思いませんが、もしかすると出すべき人に情報が閉ざされているのかもしれません。適切なフラット化は、未来の社会をつくる、一つのアプローチになるかもしれない。 そんなことを思って、出版社の「中の人」として、10年間、書籍編集の仕事についてきて、「大事にしたほうがいいかも

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        • 移住者のリアル【軽井沢へ移住して気づいたたいせつなこと】
          18本
        • 「本づくり」ここだけの話
          15本
        • 軽井沢 ”風の本棚” プロジェクト
          16本

        記事

          2022年、目標を立てました。

          あけましておめでとうございます。 2022年の抱負を決めました。 2023年1月に振り返ってどう思うか。楽しみです。 1:会社(出版社)をつくるうまくいかないことがたくさんあると思うが、それを努力や能力の欠如と安易に結びつけない。できることから、という思考を徹底する 2:未来を考えるこの本が、この一手が、未来にどうつながっているか。ちゃんと想像する。 3:持続可能な暮らしを模索する自宅の完成。薪ストーブの暮らし。畑の本格稼働。食や発酵の知識をあげるなどなど 4:読む・

          2022年、目標を立てました。

          あなたのエネルギーを下げるもの 

          こんにちは。今日は、ここ1年続けている「コーチング」のセッションについて書いてみます。 なぜ、コーチングを始めたのか? コーチングのセッション。オンラインでコーチの人とつないで、「自分が何をしたいか?」「どんな想いをもちながら日々を過ごしているか」を、口にしてみるという時間をもっている。 はじめた動機は、軽井沢に移住をして、自分の中で変化を感じたから。自然と湧き出す、何かやってみたいな、という想いをキャッチしたからです。 でも、それは思いつきかもしれない。 単なる移住でテ

          あなたのエネルギーを下げるもの 

          「しつけ」か「放任」か? ー子どもには子どものやり方がある。

          ひさしびりの更新。軽井沢はすっかり冬で、浅間山には雪が。朝夜の寒さも体に堪える季節になってきました。 そんななか、スノーコートも着ずに登園している5歳の娘。「子どもは風の子」。けれど芯から冷えてしまうのでは…心配な季節でもあります。 先日、子どもの通うグループに「編成」がありました。そこで起きた子どもとのやりとりを通して、「しつけってなんだろう?」「正しさってなんだろう?」と思うことがあったので書いてみます。 またもや登園で泣き出す娘の通う学校では、固定的なクラスがあり

          「しつけ」か「放任」か? ー子どもには子どものやり方がある。

          タイトルづけは「転がる言葉」を探す

          本のタイトルづけはむずかしい。 本が売れるかどうかは、タイトルが9割、だとも言われる。それは表層的には、タイトルが書店で目にするいちばん最初の情報だからそこでつかまないと逃げられる、ということではある。だけど、それだけじゃない。タイトル=背骨が「決まっている」本は、本づくりの段階でも、腰が座りやすい。書き手も編集者もそこに向けて共通の目標ができる。 では、どうやって考えるべきか。いろんな人がいろんなことをいう。どれも正しいような気がする。 おそらく、これまで本づくりをや

          タイトルづけは「転がる言葉」を探す

          移住先で運命的な"土地"に出合う方法〜軽井沢日記

          こんにちは。2020年3月に軽井沢に移住後、いつかはこの地で持ち家を、と思っていたのですが、ようやくその計画が動き始めました。21年9月に基礎工事が着工。22年の3月竣工に向けて工事が始まりました。 まだまだ決めなければならないこと、ハードルは多々ありそうなのですが、ここで一度、「土地探し」について振り返っておきたいと思います。軽井沢での土地探し。あくまでたったひとつのサンプルにしかすぎませんが、誰かの参考になればと書き残します。あるいは、移住先がどこであるかに限らず、あた

          移住先で運命的な"土地"に出合う方法〜軽井沢日記

          「役に立つ」を目的にした本が売れなくなったのはなぜだろう

          こんにちは。出版社で書籍の編集として働くようになって、気付けば今年で10年が経っていました。 この10年の間「出版不況」と呼ばれ、紙の年間売上は減少の一途をたどってきたわけなのですが、一方で毎年の年間ベストセラーには<すぐに役に立つ>実用系のビジネス書が名を連ねていました。 僕自身、一人の読者として、感銘を受けて仕事の中に取り込んだり、本の構造自体を模倣するなど、そのすばらしい構成美をもつ、ビジネス書・実用書に魅了されていた一人でもあります。 ただ、ここ数年、そうした「

          「役に立つ」を目的にした本が売れなくなったのはなぜだろう

          子どもが飛ぶハードルの高さを親が決めない、ということ

          夏休み明け感染対策の「警戒レベル」が5に上がり、これまで以上に自治体も学校も対策に力を入れている。そのなかで、ここ2週間は、昼食をとらずに下校という体制になってくる。 共働きなので、正直たいへんさはある。あるけれど、せっかく子どもが家にいる時間が長いのだから、少しでも成長を観察してあげたい、という気持ちもある。仕事への気忙しさと、子どもの遊びへの体力消耗があいまって、なんとかしのいでいる毎日。 そんななか、過ごす時間が長くなると、「あぁこんなこともできるようになってきたん

          子どもが飛ぶハードルの高さを親が決めない、ということ

          なぜ本はそんなに大事か

          担当本が校了をむかえ、妻子が実家に帰省している時期、ということもあって、軽井沢町内の宿泊施設に泊まりにきました。 油やさん、というところです。 かつて堀辰雄が執筆活動をした中山道、追分宿のお宿。車で5分の距離ですが、周囲は宿場町の雰囲気をうっすら残していて、気分が変わります。 *** そんな作家の痕跡を感じる場で、少し"本"について考えてみました。なぜ、デジタル隆盛の時代にあって、古典的なメディア、本をつくることに自分はこだわっているのか。「本は無くならない」と多く人

          なぜ本はそんなに大事か

          「土」には宝が眠っている、かもしれないという話 【軽井沢 移住日記】

          先日、畑で野菜を収穫をした。 トマトはまだ青くて獲れなかったけど、ズッキーニとエンドウマメ、南瓜、キュウリ、大根を少しだけ。 苗を植えるタイミングがむずかしかった。5月の中旬、まだ霜が降りるかもしれない、という寒い時期に植えたので、萎れてしまったものもあった。「もう少し待ったほうがいい」と経験者の方が言ってくださっていたのだけど、前のめりの気持ちが押さえきれず…。 その中で、いちばんの収穫は、ジャガイモだった。 「あった!あったよ〜!」 と家族3人で、土を掘り起こし

          「土」には宝が眠っている、かもしれないという話 【軽井沢 移住日記】

          軽井沢に子育て移住してうまれた子どもの変化、そしてそれ以上に大きな親の変化

          先日、娘が通う学校(幼稚園)で年度の最後の登園=「おわりの日」を迎えた。思い返せば一年前。ワクワクにあふれた東京からの引越し。開校を迎えたタイミングでのまさかのコロナ禍。オンライン登校。そして、登校がはじまってからの学校づくりの1年。 ただでさえ大変なはずの学校づくり1年目が、大きな制約を受けながらとなり、それでもすばらしい1年のおわりを迎えられたことに、スタッフの方には感謝しかありません。 今回の投稿では、保護者の視点で、4歳の子がどのように変化していったのか、を書き残

          軽井沢に子育て移住してうまれた子どもの変化、そしてそれ以上に大きな親の変化

          はじめる日に大切なのは「覚悟」より「約束」

          仕事であたらしいことをやろうとしたり、私生活でこれまでの連続性から外れるようなチャレンジをしようとすると、よく他人から問われることがあります。それが、 「覚悟はあるか?」 という問いです。 相談された側からしたら、その先にリスクを負うのは本人なわけなので、「考えが甘い」「深堀しきれていない」と察知すれば、親切心からそのような言葉を投げかけるのだと推察します。 あるいは、そこまで大きな人生の転機でなくとも、 「コミットできるか?」 という問いはよく会社の上司からも投

          はじめる日に大切なのは「覚悟」より「約束」

          一歩踏み出すときの魔法の言葉

          2021年を迎えました。 軽井沢に移住してから1年近くが経とうとしています。その間、自分の中に、大きな変化がありました。 その変化とは何か。自分がいかに「消費者マインド」で生きてきたか、という気づき。そして徐々に湧いてきた「つくる」ことへの押さえきれない憧れ…。 この投稿は、移住に向けて動き出している人はもちろん、職場環境や仕事の肩書きなど、変化の渦中にある人に、どこか少しでも共鳴するものがあればと思い、書き残したものです。 1・なんでも外注、が人生を惰性にしていた東

          一歩踏み出すときの魔法の言葉