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西大和学園中学校の2024年度国語入試|本の紹介

西大和学園中学校の2024年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!



小坂井 敏晶「異邦人のまなざし: 在パリ社会心理学者の遊学記」

現代書館 (2003/5/1)

内容紹介

いま話題となっている『民族という虚構』(東大出版会)の著者の自己史的異文化論。彼は早稲田大学中退後、放浪の後、フランス国立社会科高等研究院修了をし、現在パリ第八大学心理学部助教授。彼の彷徨った破天荒な半生の軌跡を辿りながら異文化で生きる戸惑いと感動、意味を軽いタッチで綴る好読物。

[著者紹介・編集担当者より]
小坂井氏は小学生時代から決して優等生ではなく、どちらかというと落ちこぼれで、高校時代は陸上ホッケー選手で明け暮れる。大学も早大の陸上ホッケー部に憧れて入学。一年後に退部し、世界を放浪して、何となく行き着いた先がパリ。そこで学業に打ち込み、大学の助教授へ。まさに異邦人的人生!(村)

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6854-3.htm

著者紹介

小坂井 敏晶
愛知県生まれ。名古屋の高校から2浪して1977年に早稲田大学文学部に入る。高校時代から陸上ホッケーに熱中し、ホッケーをやるため大学に入ったが日本代表選手になれず、次の目標を見つける目的で1978年から1979年にかけてユーラシア大陸を放浪。1979年から1980年にかけて、日仏技術通訳としてアルジェリアに滞在。1981年、大学を除籍となり渡仏。カーン大学歴史学部で学んだ後、1994年、社会科学高等研究院修了、社会心理学博士。高等研究院ではセルジュ・モスコヴィッシに師事。1994年、フランス国立リール第三大学准教授、2002年パリ第8大学に異動。2022年退官。パリ西郊外サンジェルマン・アン・レー在住。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%9D%82%E4%BA%95%E6%95%8F%E6%99%B6

著者の他の本

「格差という虚構」
筑摩書房 (2021/11/10)

格差の問題を前にして、我々はいったい何を求めているのか。人々を選別する〈能力〉とは何か──。学校は格差再生産装置であり、遺伝・環境論争の正体は階級闘争だ。だが、メリトクラシーの欺瞞を暴いても格差問題は解けない。格差は絶対になくならないだけでなく、減れば減るほど人間を苦しめる。平等とは何か。平等は近代の袋小路を隠すために我々の目を引きつける囮であり、擬似問題にすぎない。世に流布する議論の誤解を撃ち、真の問いを突きつける、著者最後の虚構論。

「増補 責任という虚構」
筑摩書房 (2020/1/10)

人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト・死刑・冤罪の分析から浮き上がる責任の構造とは何か。本書は、自由意志概念のイデオロギー性を暴き、あらゆる手段で近代が秘匿してきた秩序維持装置の仕組みを炙り出す。社会に虚構が生まれると同時に、その虚構性が必ず隠蔽されるのはなぜか。人間の根源的姿に迫った著者代表作。文庫版には自由・平等・普遍の正体、そして規範論の罠を明らかにした補考「近代の原罪」を付す。


「人が人を裁くということ」
岩波書店 (2011/2/19)

日本では裁判員裁判が市民の義務として捉えられ、欧米では司法参加が市民の権利として理解される。これはなぜか。また、冤罪事件が繰り返されるのには、どのような構造があるのか。本書はそこから、裁判という営みの本質へと分析を進める。犯罪や処罰についての常識を疑い、人間という存在を見つめなおす根源的考察。


内海 隆一郎「人びとの情景」から宙ぶらりん

内容紹介

後継者のいない老舗の豆腐屋を継ぐと言いだした孫息子。一人娘を嫁がせようと大芝居を打ったクリーニング店主。少年に約束したクワガタムシを渡そうと病院の待合室に通いつめる老人。何気ない市井のひとこまの人の情、忘れていた記憶、ささやかな幸せ。-心の機微が失われゆく現代という時代を静かに見つめながら、そこにひっそりと息づく人間の善意と無償の愛情を、そのままの大きさで描きだす。「木綿豆腐」「待合室」ほか珠玉の二十四編を収録。

https://books.rakuten.co.jp/rb/519029/

著者紹介

内海 隆一郎 (ウツミ リュウイチロウ)
1937年生まれ。岩手県出身。立教大学卒業。出版社勤務を経て作家に。1969年「雪洞にて」で文學界新人賞受賞。『蟹の町』『帰郷ツアー』『みんなの木かげ』『欅通りの人びと』など著書多数。2015年没。

著者の他の本

「懐かしい人びと」
PHP研究所 (2003/8/1)

勤め先の上司にほのかな恋心を抱いた子持ちの女性。定年を迎えた日に、別れた妻に花束を届け、感謝の気持ちを伝えた男。子供たちがいなくなった家で、インコをかすがいに生きる老夫婦――。さらにボタンを掛け違えてしまった嫁と姑や、孤独ゆえに心を寄せ合う隣人同士など、日常生活の中の何気ない一コマを描いた物語が、渇いた心にしみわたり、忘れていた人生の記憶を呼び覚ます。▼切なく、心温まる人間ドラマが満載された本書。読み進めるうちに、なぜか心の澱みが洗い流されたような気持ちになるのは、著者の端正な筆致ゆえか。▼生きることに疲れていても、本書を開くと、いつでもやり直しがきくような気がする。内海隆一郎の世界は、こんこんと湧く泉のごとく涼やかでありながら、その実、明日へのエネルギーに満ち溢れているのである。生きていることが、いとおしくなる24篇。▼解説は詩人で文芸評論家の安宅夏夫氏。内海文学の真髄を語り尽くしている。


「だれもが子供だったころ」
河出書房新社 (2022/3/5)

子供の目線で世界を描く49の掌編集。

国語教材や入試問題にも長年採用されてきた作家の名作を新装復刊。

祖母から贈られたセーターの長すぎる袖に不満げな男の子。初めて両親と離れ、二人だけで新幹線に乗る兄妹。二度と帰らない父をベランダで待ち続ける女の子……他、子供が出会う日々の出来事をやさしく、あたかかく、ときに切なく描き出す。

子供の目線だからこそ見えてくる、日常のささいな出来事の奥深さ――今まさに子供の人、ちょっと前まで子供だった人、かつて子供だったすべての人に贈る珠玉の49編。

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