新規上場承認後のロードショーとは?

ロードショー(*1)と言えば、一般的には映画の封切りを表すかと思いますが、金融業界においては、IPO前に機関投資家を訪問する一連のアクションをこのように表現します。ロードショー後の機関投資家のアンケート結果は、その後の公募価格決定に大きく影響するため、発行会社の資金調達額や既存投資家のEXITシナリオが変わってくる可能性のある大変重要なイベントです。

ロードショーの成否は、目論見書に記載した「想定発行価格」と「仮条件のレンジ」の関係性から、アウトサイダーであっても推察することが可能です。仮条件のレンジが想定発行価格より上であれば、ロードショーは成功、下であれば失敗と判断されるようです。

具体的に2015年12月の事例でいうと、フリューはロードショーに失敗、アークンは成功というところでしょうか。

フリュー 想定発行価格3,780円(ロードショー前) 仮条件3,000円〜3,200円(ロードショー後)

アークン 想定発行価格1,230円(ロードショー前) 仮条件1,230円〜1,360円(ロードショー後)

さて、ロードショーは上場承認日の翌日から10日前後かけて、毎日、数社の機関投資家周りを行うわけですが、非常にタイトなスケジュール構成の為、移動はハイヤーを利用する会社が多いようです。私も早朝からハイヤーで東京駅周辺に向かい、大手町〜赤坂・六本木周辺を中心に連日、機関投資家を訪問しました。ちなみにロードショーのスケジューリングは上場承認直後(15:30)に主幹事証券会社が一斉に行う為、ロードショーの日程は前日の19:00くらいにならないと固まらないようです。

ロードショーの1日

09:00-10:00 機関投資家A

10:30-11:30 機関投資家B

11:30-13:00 ランチ

13:00-14:00 機関投資家C

14:30-15:30 機関投資家D

16:00-17:00 機関投資家E



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