不運

洗われるような雨の中、私は九十九折の山道を降りる。酷く冷たい水の滝を浴びる、まるで修行のような苦行。まったくツイテいない。潰えた希望が絶望に変わり、挙げ句に下り道。山土も流されるまま、足元を悠々と滑り楽しんでいる。沈んだ気分を埋めようと私は唄でも考える事にした。

爆ぜる絶望奏でる希望
燃ゆるは僕映えるは私
羨望輝く眼球見るは
澱む川のような下り
渇望する目に写るは
不純な泥を集める溜まり

こんな歌詞を考えるあたり、疲れているんだなと思った矢先、雨が止んだ。気分が少し晴れたようだ。歌詞を作り直そうと思ったが、山道の看板に思考を全てを持っていかれた。

『周辺、有毒ガス発生立ち入り禁止』

ハハハ、ネガティブなのもガスのせいなのかなハハハ

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