マキナ

ワタシハロボットデスカ?ソウデスカ.
ロボットなわけねーだろ、れっきとした人だ。生産ラインに並んだ記憶もないし、そんな記録もない。ただの言いがかりだ。言動通り感情とやらもあるだろう。見た目も人そのもの。切れば血だって出る。痛覚もある。人に備わっているものは全部ある。全部あるは盛りました。無いもの足りないものがある。それは脳漿…いや、知能だ。どうも無いと感情的になりがちだ。カッと人を殴り飛ばしてしまう。まぁ飛ばすほどの怪力はないけども。

一目惚れというやつか、恋をしたようだ。早速声を掛けよう。声が出ない。最近めっきり喋らなかったからか声の出し方を忘れたようだ。仕方ない。声を治して、明日見掛けたら声を掛けよう。

こ、コンニチハ…
「何でしょうか?」
気持ちを伝える。
「冗談でしょ」
冗談ではない。大マジだ。
「だって貴方ロボットでしょ?」
ロボットじゃない。
「じゃあその喉元のバーコードタグは何?」
バーコードタグ?そんなもの付いてないが。
カッとなり女を突飛ばした。女は煙を出し、白目を向いていた。
「そこのお兄さん手を上げなさい。管理部の者ですが、そのロボットを壊したのは貴方ですか」

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