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銃口を向ける

※この文章は、日本仕事百貨のニュースレターに寄稿したコラムを加筆修正したものです。ニュースレーター登録はこちら


いま、出張へ向かう空港の待ち時間でこれを書いています。こんにちは。編集の稲本です。

先日開催した『日本仕事百貨編集者による 編集しナイト!!』。来てくださった方、そして興味を持ってくださった方も、ありがとうございました。

思いのほか人が来てくださって、ぼくとしてはめずらしくいろんな人とおしゃべりすることができて面白かったです。どうか来てくださった方もそうでありますよう。

文章を添削してほしかった、という人もいたと、あとで聞きました。もしこのメルマガを読んでくれていれば、ぼくのXにメッセージをいただけたら、文章にコメントをすることもできますので、遠慮なくご連絡を。

さて、バーに来てくれた方は気づいたかも知れませんが、実はあの日、ぼくは1日中カメラを持ちながら社内にいて、ことあるごとに写真を撮っていました。同僚や目についたモノなどなど。

日本仕事百貨の記事はとくに、写真も大切な要素です。さらに言うならば、つくった感のない自然な写真を使うようにしています。「はい、ピース!」で撮ったような写真は使っていないということですね。

これには理由があって、文章を読むなかで自然に自分がそこにいるような気持ちになってもらいたいからです。あたかも自分の目で見ている気持ちになってほしい。これは文章全体で、小さいようで大きな差になっていきます。

もちろん恣意的な写真がよくないわけではないですが、時と場合、文体によっては写真の選び方、そして撮り方にも工夫が必要ということです。

文章に写真を使う人は、一度そういう目線で写真を見てもらえると、また新しい視点が得られるかもしれません。

写真について書くと、とんでもない文字数になってしまいそうなのですが、もう一つ大事なことを伝えるとすると、被写体との距離感。それは物理的な距離もそうだし、心理的な距離もそう。

だって撮られたくない人に写真を撮られるのっていやですよね。だからこそ、取材相手とはコミュニケーションをしっかりとって、信頼関係をつくる。そこから写真を撮りはじめる。

いきなりレンズを向けるというのは、大袈裟かもしれませんがいきなり銃口を向けているのとおなじくらいの緊張を相手に感じさせてしまいます。そこまで考えて撮影ができたら、もう自然と写真は上達しているはず。

写真についてはひとまずここまで。また機会があれば書きたいと思います。

(稲本 琢仙)

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