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”慣れ”に慣れない
※この文章は、日本仕事百貨のニュースレターに寄稿したコラムを加筆修正したものです。ニュースレター登録はこちらから。
スポーツを観るのが好きです。
今だったらMLB。ドジャースとパドレスの熾烈な戦い…! にわかMLBファンですが、毎日楽しませてもらっています。
あとは海外サッカーや日本のプロ野球も観ます。日本のプロ野球はそろそろシーズンが終わるころ。ぼくはパ・リーグだとオリックスが好きなのですが、先日オリックス中嶋監督が退任するというニュースを目にしました。
個人的には近鉄時代から親しみがあり、最近は中嶋監督をきっかけにオリックスを応援し始めたので、なんだか悲しい気持ち。さらに、その退任にあたってのコメントにハッとさせられました。下記はコメントを一部引用したものです。
「今まで通りにやってても、人って慣れるじゃないですか。慣れという部分が今年は強く出てしまった。初めに言っていたのは全力疾走であり、攻守交代であり、そこはしっかりやってくれと。勝ったチームはやらんでいいのか。どれだけ言っても改善されなかった」
「きょう、最後のところでヘッドがもう一回(選手に)お願いしたとき、今日みたいにできるわけですよね。一試合一試合、連続になったとき、なぜできなくなったのか。ということですよね。これがCSファイナルのゲーム、日本シリーズのゲームだったらやるわけじゃないですか。一年間通してやるのが最低限の約束をしていたが、そこに関しての薄さが出た。その部分はどれだけ言ってもやれないのは、言ってないのと一緒。そこに関して慣れなのかな、と」
“慣れ”。
中嶋監督が口にしたこの言葉はとても重いし、野球に限らずさまざまなことに言えると思う。ぼくらだって「仕事に慣れる」、ということはあるし、それはある意味いいことのように聞こえる。
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ただ慣れるのはこわい。それは一つひとつの何かをおろそかにしてしまう可能性が出てくるから。仕事には慣れても、惰性にはならないように。これは中嶋監督のメッセージとして、自分自身にも深く刺さりました。
慣れてないか? 全力でやってるか?
これを読んでくれている方も、よくもわるくも「慣れ」を上手に使って物事に取り組んでほしいなと思うし、僕自身もそうありたいと思う。監督おつかれさまでした。
(稲本 琢仙)