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書くことの筋力
最近、日本仕事百貨が毎週配信しているニュースレターに寄稿するようになった。
前編集長は毎週書いていて、すごいなぁと思いながら見ていたのだけれど、いざ自分が編集長になったときも、メルマガは前編集長に任せていたので、自分が書く機会がなかったのだ。
それが最近になって、ニュースレターの欄が空き気味になったのもあり、書くようになった。インタビューが元ではない文章を、自分がどれだけ書けるのか、その筋トレをするべきときが来ていると感じたからだ。
ということで、日本仕事百貨にニュースレターがあることを知らない人も多いかと思うけれど、興味がある方はこちらから登録できるので気軽にどうぞ。
どんな文を書いているのか、今週配信する予定のものを試しに下に置いておくので、興味があれば読んでみてください。ちょっとだけ、宣伝も入ってます。
「編集」という言葉は、「集めて編む」と書く。
その言葉の通り、ぼくたち編集者は、インタビューから得た言葉たちを集めて編んで、一つの文章として組み立てる。
その編む作業には明確な芯があって、語り手が何を伝えたいのか。そして読む人に何を伝えたいのか。さらにもうひとつ、書き手が何を感じたのか。
この三つを大切にして編集をするのが、ぼくたち日本仕事百貨の編集だと思っている。
そういう意味では、ぼくたちが日々取り組んでいる編集は、いわゆる一般的な編集とは少し意味が異なるかもしれない。広義の編集、とも言えるだろうか。
いまはこの「編集」という言葉がいろいろなところで使われていて、その定義もさまざま。
編集者としては困惑するときもあるけれど、「あなたたちの編集ってなんですか?」と聞かれたときに、堂々と相手に伝えることができる言葉を自分たちが持っていれば、それでいいとも思うのだ。
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前置きが長くなってしまったけれど、日本仕事百貨の記事は上に書いた三つのことを大事にして書いている。
この16年、日本仕事百貨の中の人も入れ替わり、世の中の仕事の在り方も変わった。それでも変わらないものを大切に、日本仕事百貨は脈々と受け継がれている。
それは今後も変わらないし、変わらずに進んでいきたい。大切なことは、シンプルで普遍なのだ。
と、つらつらと編集について書いてきた。こういうことを言葉にする機会は少ないのだけれど、なんと今週の26日の木曜日に、リトルトーキョーの3F「BARあのひと」にて、『日本仕事百貨編集者による 編集しナイト!!』が開かられるらしい。
知らないあいだに、ぼくも名前を連ねられていたけれど、まあたまにはいいか、という気持ちで立っていますので、編集に興味がある人も、記事を普段読んでくれている人も、記事の具体的な書き方や意図を聞いてみたい人も。
ぜひ気軽にお越しください。真剣な話をしてもよし、一緒にお酒を飲んでもよし。
新人の櫻井くんと一緒にお待ちしています。
(稲本 琢仙)