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仕事のやりがいって?

※この文章は、日本仕事百貨のニュースレターに寄稿したコラムを加筆修正したものです。ニュースレター登録はこちらから。


「仕事のなかでやりがいを感じる瞬間ってありますか?」

取材でこれまでいろんな人にこの質問を投げかけてきました。スラスラと答えられる人もいれば、「うーん…なんだろう…」と考え込む人も。みなさんはどうでしょう?

ぼくは自分に訊かれたならば、後者の人のようになるタイプでした。人に訊いといてなんやねん、という話ですが、自分の仕事のやりがいって、なかなか答えるのがむずかしい。

いいこと言いたいとかそういうことではなく、単純に自分がなにをうれしいと思っているのか、普段考えていないのかもしれない…と、毎回振り返っては、ちょっと落ち込む。

そこで、あるときから、敏感にアンテナを張るように心がけるようになりました。仕事のなかで自分はいつどんなとき、なにを感じているか。そうするとですね、なんと… これといったものを見つけることができなかったんですよね。

ただ最近になってようやく、うれしいと素直に感じられることが出てきました。

それは、自分の書いた記事で仕事が決まった人に、インタビューができたとき。

これって実は偶然も絡んでくるむずかしいことで。書いた記事でちゃんと採用された人がいて、その会社がまたご依頼をしてくれて、なおかつインタビュー相手がその人である。この条件を満たさないと感じられない喜びなわけです。レアですね。

一度、「稲本さんのおかげで今とてもたのしいです。ありがとうございます」と言われたことがありました。その瞬間、ぼくは仕事のやりがいってこれかも、とようやく気づけたことがあります。

やりがいと大変さは表裏一体でもあります。大変だなあと思ってやっていることが、実はやりがいだったりする。

感じ方は人によってさまざまですが、これからも日本仕事百貨が、だれかのいいご縁につながるきっかけになれるよう。そして読んでいる人が、自分の仕事のやりがいに気づいたり、いろんな仕事のことを知ってモチベーションにしてくれたり。

そんな存在になれたらいいなと思っています。

(稲本 琢仙)

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